201.孤児院のことを伝える
部屋に戻るとリリとララが楽しそうにユアとお話をしていた。するとルミアが私が戻ってきたことに気付いた。
「あ、レーナお姉ちゃんお帰りなさい」
「「レーナお姉ちゃんお帰り」」
「お帰り」
ルミアがそう言うとユア達が続いてそう言ってくれた。
「た、ただいま」
と若干照れ臭くなりながらそう挨拶を返した。
「無事に終わったの?」
するとユアが依頼の件を聞いてきた。
「無事に終わったよ」
「そうなの。……それなら今後の依頼はどうするの?」
「う~ん。いい依頼があったら受けてそうじゃなかったら魔物や薬草採取をして過ごす予定かな? あんまり面倒な依頼は受けたくないからユアはどうする?」
「私はお金が稼げるなら何でもするよ?」
「それなら明日からは一緒に何か受けたりしようか?」
「うん!」
ユアとそんな会話をしているとルミアがこんなことを聞いてきた。
「それなら私達は孤児院に戻ればいいのかな?」
とりあえず先ほど確認してきたことを彼女達に伝えないといけない。そう思いさっき見てきた孤児院の様子を彼女達に話すことにした。
「その件で話しておきたいことがあるけどいいかな?」
「「「?」」」
「……どうしたの?」
私がそう切り出すとみんなが不思議そうに首を傾げたがユアが代表して理由を聞いてきた。
「実は依頼の報告の前に孤児院の様子を見てきた」
「……何かあったの?」
「あの土地の持ち主があの建物を解体するみたいなの」
「え? 私達の住む場所が無くなっちゃうの?」
「無くなっちゃうの?」
「まぁ、簡単に言うとそうなるかな?」
「どうして? 院長先生は?」
そう言えば院長先生のことはルミアにしか言っていなかったかな? とそんなことを思いながらどう伝えようか少し考えてから理由を教えることにした。
「院長先生はあなた達が捕らえられたときに孤児院と引き換えに助けようとしたの。だから孤児院が他の人の手に渡っているの。院長先生その後は行方が分からないの」
「え? そうなの?」
するとリリとララが不安そうにしていた。まぁ、流石に亡くなったとは言えないからこの辺りが話せる限界かな?
「うん。でも心配しなくても大丈夫だからね? 私とユアが居るからそれにルミアも」
「「……分かったの」」
「でも、不安だったら私やユア、ルミアに相談してね?」
「「うん」」
私がそう言うとリリとララが頷いた。




