200.ラナさんに相談
冒険者ギルドを後にした私は宿に向かいながらルミア達のことをどうしようかと考えていた。
「とりあえずしばらくは宿で暮らすとしてその後をどうしようか……」
別にルミア達の宿代を払う分には問題ないが彼女達はそのことを気にしないのか。という部分で少し悩んでいる。
「……とりあえずラナさんには孤児院の件を伝えてもうしばらくお世話になることを伝えておこう」
そう思いながら宿へ向かって歩いていた。
宿に着くとラナさんが居るだろう食堂へと向かった。食堂に着くとお昼時は過ぎたようでお客さんはまばらに居る感じだ。すると奥からラナさんが出てきた。
「あら、レーナちゃん。お昼は食べたはずだけど何かあったの?」
「まぁ、そんな感じです。ラナさんにお願いしたいことがあるので一段落したらお話とかできますか?」
「分かったわ。レーナちゃんは座って待っていてね」
と言って机に残っている食器類を片付けていた。
それからしばらくするとお客さんも居なくなりラナさんは飲み物をもって戻ってきた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
と言いながらいただいた。ラナさんも私と同様に飲んで一息つくと私の方を見てきた。
「それで、レーナちゃんが私に話したいこととは何?」
「ルミア達のことです」
「彼女達のことねぇ……」
「はい。さっき孤児院の方に行って様子を見てきたら知らない人達が色々と確認していて、何をやっているのか聞いてみたら建物を建て替えるから下見に来たと言われまして」
「そうなの?」
「はい。それで彼女達のことをどうしようかと……。しばらくはここに泊ると思いますが」
「別に気にしなくてもいいと思うわよ?」
「……どういうことですか?」
「彼女達からお店のお手伝いをしているのは知っている?」
「はい。お昼ご飯を食べている時に聞きました」
「レーナちゃんにお世話になり続けるのは良くないと思っているみたいでお手伝いをさせて欲しいと言ってきたのよ?」
「え?」
さっき聞いたときは暇だったからラナさんにお願いて手伝わせてもらっていると言っていたけどもしかして私に気を使って?
「彼女達なりに自分達の力で何とかしたい部分もあるんじゃない? ララちゃんとリリちゃんは小さいから簡単なお掃除を任せてみているけど、ルミアは凄いわね……。私の娘でもあそこまではいろいろできないから」
「あ~、彼女ならいろいろできそうかも」
正直、ユアよりもしっかりしている気がするし。
「でも、無理をしないかが心配ですが……」
「それは私に任せなさい。彼女達が泊り続けることで困ることはないから。みんなまじめだから、もう少し大きくなれば住み込みで雇ってもいいかもしれないとは思っているくらいだから」
「そうなのですか?」
「ええ、だから彼女達がいろいろと気にしているようならお手伝いとして少し働いてもらってもいいわよ? 宿代程は難しいかもしれないけど、お昼代にちょっとしたお小遣いくらいなら出せるから」
ラナさんがそこまで彼女達のことを気に入っていて驚いたけど、彼女達の懸念事項は大分解消できると思いラナさんにお礼を言った。
「ありがとうございます」
「気にしなくてもいいわよ。あそこまで頑張って働く子達何てこの辺じゃあ珍しいわよ? とりあえず彼女達とのお話は終わらせてくるといいわ」
「はい!」
私は再度ラナさんにお礼を言ってユア達が待っている部屋へと戻った。




