187.決行日について
……そう言えばだけど、ビアンカ達の罰の決行日はいつなのか聞いていなかったことに気付いた。
「そう言えばですが、ビアンカ達の罰の決行日はいつの予定ですか?」
「あぁ、それは、今日の夕方に行う予定だ」
思っていた以上に早い決行に驚きながら早くこの村に居なくなるのならセラは安心かも。とそんなことを思った。
「そうですか……。ビアンカ達は村を出た後はどこに向かうと思いますか?」
「それは分からないなぁ……。普通に考えたらリンフレッドの街に向かうと思うが」
やっぱりそうなるか……。仮にビアンカ達がリンフレッドの街に来たら面倒なことになりそうだ……。
「でも、アルディンのこともあるから必ずリンフレッドの街に向かうとは限らないが……」
そう村長さんは言ったがあの人達がそんなことを考えて行動しているとは思えなかった。誰かの意見を聞いて動いているなら別だが。
「……あの人達はそんなこと考えるかな?」
「……」
私がそう言うと村長は心当たりがあるようで無言で首を横に振った。まぁ、そうなるよね。
「まぁ、そんなこと考えても仕方ないからリンフレッドの街であったときに考えればいいか。そもそもあの街は広いから早々会うことがないと思うし」
「その方がいいかもしれん。一応、村の者にもリンフレッドの街でビアンカ達に会っても話しかけないように言っておこう」
「その方がいいかもしれませんね」
まぁ、ビアンカ達が村の住人を覚えているか怪しいが。
「レーナはビアンカ達の罰の決行を見に行くか?」
「私はいいや。そもそも会いたくないし」
「それならいいが……。他に何か聞きたいことはあるか?」
「私は特にないけどユアは?」
「私も大丈夫です」
「それなら話はこれでおしまいになる。わざわざ来てもらってすまないな」
「いえ、気にしないでください」
「だ、大丈夫ですから!」
とそんなこと言いながら、村長さんとの別れの挨拶をしてユリーカさんの家へ戻った。




