177.ユアの不安?
それからユリーカさんの温かいご飯を食べ終えるとユリーカさんがこんなことを聞いてきた。
「とりあえず、ユアちゃんを連れてきたみたいだけど、これからどうするの?」
「まずは村長さんに連れてきたことをお話してこようかと思います。あとは村長さんの都合次第になると思います」
「まぁ、そうなるわね。でも、村長は驚くかもしれないわね」
と言いながら私達の方を見ていた。もしかして本当にユアを連れてきたから? とそんなことを思いながらユリーカさんに聞いてみた。
「ユアを連れてきたからですか?」
「それもあるけど、やっぱり連れてくるのが早いことかな? 昨日のお昼過ぎに村を出て行ってお昼頃にはもう戻ってきているからかなり早いわよ? 普通なら2日はかかるはずだし。しかも雪が積もっているのもあるからさらに時間が掛かるはずだし」
そう言われるとエレナさんとこの村に来るのは結構時間が掛かったかも……。まぁ、あの道できたわけじゃないから今回は早かったのもあるけど。
「それは冒険者としていろいろと活動をしていますから体力はあると思います」
「そうなの……」
「まぁ、それよりも早く報告しに行った方がいいんじゃないの? いろいろと話したいことがあって村長さんはユアちゃんを呼んだわけでしょう?」
するとユリーカさんと話をしていた私にエレナさんがそんなことを言った。確かに、いろいろなことがあってユアにも確認したいことがあって是非連れてきて欲しいと言われたんだっけ?
「そうだね。ユアには悪いかもしれないけど、早速村長さんの家に付いて来てもらえるかな?」
「だ、大丈夫だよ」
私がそう聞くとユアは少し緊張した様子を見せていた。
「もしかして村長さんに会うことに緊張しているの?」
「う、うん。村の中で一番偉い人なんだよね?」
「まぁ、そうだね。でも、緊張するようなことはないと思うよ?」
「そ、そうかな?」
「そうだよ。それに、村長さんに呼ばれているのユアなんだから聞かれたことをただ答えていればいいはずだよ。そのあとにユアの両親が暮らしていた家について聞くといいと思うよ?」
「……分かった」
そうして私達は村長さんの家へと向かった。




