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・・・自由に生きよう!  作者: 夜叉神
第二章 森の異変
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10.依頼完了 (2019/12/26)



 それからユアの靴をそっと魔法で乾かしながら乾くまでの間はどうしようかな? と考えていた。


「……少し早いけどお昼にしようか?」


 そう言って干し肉を出してユアに1つ渡そうとした。


「い、いいよ。いろいろしてもらったのに悪いよ」


 と手を振りながら断って来た。


「まぁ、いいから、いいから」


 私はそう言ってユアに押し付けた。流石に自分だけ食べる勇気はないからね? それにユアはちゃんと食事をしているのかという心配もあったからできれば食べて欲しい。とそう思ってやや無理やりだがユアに渡した。


「……ありがとう」


 そう言って受け取ってくれたので、私が食べ始めるとユアもゆっくりとだが食べ出した。




 食事を終えるとユアと話して少し休憩することになった。まぁ、休憩と言ってもユアと少し話しながらのんびりと過ごしただけだが……。


「そろそろある程度乾いたかな?」


 するとユアは、そう言って自分の靴を確認していた。まぁ、私が魔法で乾かしていたから大体は乾いていると思うけど大丈夫かな? と思いながらユアの様子を窺うと頷いていた。


「大丈夫そう」


 するとユアがそう言ったのでおそらく乾いたのだと思う。そのことに少し安心しながらそろそろ他の依頼をこなし始めた方がいいかなと思いユアに声を掛けた。


「それなら、行うか?」


「うん」


 そうして私達は残りの依頼をこなすために必要なものなどを探し始めた。




 それからユアが受けた採取依頼は、思っていたよりも早く終わった。まぁ、ユアからしたら慣れた依頼ということもあるだろうけど……。そんな訳で早く依頼も終わったことだから私達は街に戻ってギルドに向かうことにした。




 ギルドに着いて中に入ると受付にエレナさんが座っていたので私達はエレナさんの所に向かった。


「今日は、いつもより早いですね?」


「はい。レーナちゃんが手伝ってくれたので……。これをお願いします」


「この魔石もお願いします」


 と言ってユアは、今回採取した薬草と倒したゴブリンの魔石を取り出した。私はユアと一緒に倒したゴブリンの魔石を渡した。


 エレナさんはユアに向かっていつもよりも戻るのが早いと言っていたことが少し気になった。普段は、どれくらい時間が掛かってかな? と少しだけ気になったけど流石に夜までってことは、ないかな? とそんなことを思った。


「分かりました。レーナさん森の様子は、どうでしたか?」


「今回は、ゴブリンと遭遇することは、少なかったかな? 今回は、東門を出た左側から川の近くまで探索したけどゴブリンと遭遇したのは、1回でした。ただ、以前遭遇した場所とも被っていた部分もあったけど、今回は少なかったです」


「そうですか、分かりました。少しお待ちください」


 そう言うとエレナさんは席を外した。それからしばらくするとエレナさんは戻って来た。


「依頼の確認と魔石の鑑定も終わりました。今回の報酬は、こちらになります」


 そう言って渡されたのは、2人で銀貨6枚。ユアは、渡された銀貨の量に驚いていた。


 私はユアが驚いている間に内訳について聞いていたが今回の情報は、前回よりも少ないこともあって銀貨3枚と銅貨4枚になったらしい。それと私が持ってきた魔物が上位種であったため銀貨1枚で、ユアの受けた依頼全部合わせて銀貨1枚で残りは、ユアが倒したゴブリン。


 そんなわけで思っていたよりもたくさんの報酬をもらえた。それにしても森の調査依頼の報酬が良すぎだと思った。まぁ、もらえるものはもらっておくけど。


「あ、報酬を分けないと」


 そう言ってユアは、私に銀貨4枚渡そうとしてきたので止めた。


「その報酬を分ける前にユアの装備を整えない?」


「それは、私の報酬でやるから」


「そう言ってユアは、本当に買いに行くの?」


 そう言うとユアは、少し気まずい顔をしていた。やっぱり……。


「じゃあ、一緒に買いに行こう?」


「でも、レーナちゃんの報酬が……」


 ユアはそう言って私の報酬のことを気にしているが自分の装備のことをもっと考えて欲しいと思った。それに、お金に関してはユアと比べたら大分余裕があるからね?


「今、お金には余裕があるから大丈夫だよ。だから一緒に買い物しに行こう?」


 そういうとユアは少し悩んでいたが私の方をしばらくみてくるとゆっくりとだが頷いた。


「それじゃあ、一緒に買い物に行こうか?」


「……うん」


 そうユアが頷いたのでユアの気が変わる前に行こうと思った。


「じゃあ、行こうか?」


 そう言って私はユアの手を掴むとユアは驚いていたが握り返してきた。そうして私達は街へと繰り出した。




 私はユアの装備を買いに行くため大通りを歩いていたけど、防具とかの装備を買ったことがないことに気付いた。ローブとかはローナさんの所で買ったけど……。とそんなことを考えながらどうしようかと悩んでいたがユアなら何か知っているかも? と思い聞いてみることにした。


「ユアは、いい防具が売っているお店って知らない?」


 そうユアに聞くと少し驚きながら首を振った。


「分からないの」


「でも、前の防具は、どこで買ったの?」


「それは……」


 するとユアが気まずそうに視線を逸らした。


「もしかして防具を使ったことないの?」


「そんなことは、ないよ。ただ、その、オノマ達が勝手に買ってその分のお金を請求されたからどこで買ったかまでは……」


 流石に防具を使ったことないということはないか……。でも、オノマ達がユアからやたらお金を請求していたということはよく分かった。


「なるほどね……」


 ん? でも、ユアは防具が傷むのが早いとか言ってなかったかな? それって、もしかしてパーティメンバーが粗悪品を渡してお金をだまし取っていたのでは……。とそんなことが頭をよぎった。まぁ、それは私の考えであってそれを確認する術がないけど、あながち間違っていないと思う。だってユアのパーティメンバーがあんなのだし……。


「レーナちゃんは、防具を買ったことないの?」


 そう言われると私は防具をつけていないかも。いつもこのローブ? 着ていたから……。


「買ったことないかな? これいつも着ているし、それにこの街にきてから防具屋さんを見たこともないかも」


「そうなの? ……それでどうするの?」


 そう聞かれてどうやって探そうかと思ったけど。防具以外にも必要なものがあるかと思いまずは服屋さんに言ってみようと思った。


「……とりあえず先に靴下でも買いに服屋さんに行こうか?」


「うん」


 そうして私達はローナさんのお店に向かった。



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