168.ユアとお話2
それからしばらくしてユアはこう言ってきた。
「……私は村に行ってみたいと思う。でも、ルミア達が心配で……」
ユアが村に行ってくれると聞いて少し安心したけど、そういえばルミア達のことまでは深く考えていなかった。でも、私が泊っている宿にならお願いできるかな? と思った。確か、孤児院に何かあったときは私が泊っていた宿に行くようにとユア達に話したし。
「それなら私が泊っている宿に預けたらどうかな? あ、お金は気にしなくてもいいよ。私の代わりに泊まってもらう形にする予定だから」
「いいの?」
「うん。個人的にはユアが村に来てくれると言ってくれて少し安心していたくらいだしそれくらいなら問題ないよ」
「でも、レーナちゃんが払っている宿代だけで3人も賄えるの?」
一応、お金を渡しているからある程度は大丈夫だと思うけどちゃんと確認した方がいいかも。
「それは宿の方で相談してみる」
「それなら、いつ出発するの?」
「できれば明日の朝早くに、できるだけ最短距離で村に向かう予定だけど、山道を何時間も歩くことになるけど、大丈夫かな?」
「それくらいなら大丈夫だと思う。レーナちゃんと会う前は山で薬草採取をほぼ毎日のようにしていたからね?」
「それならいいけど……」
「とりあえず、ルミア達にも言わないとね?」
「それもそうだね。あ、でも、その前に宿の方に話をつけてからでもいいかな? もし、断られたらいろいろと考えないといけないから」
「そう言うことなら。……私もついて行った方がいい?」
「それはいいよ。ただ、戻ってくるまでみんなと待っていてね?」
「うん」
そういう訳で、ユアと別れて孤児院を後にした。できれば今晩から宿に泊まれた方が後々のことを考えると楽になるはずだからね? そんなことを思いながら宿へと向かっていた。




