167.ユアとお話
それから私はユアに村での出来事を大まかに話した。
エレナさんが生まれた村に行ったこと、同い年くらいの知り合いができたこと。そして知り合いがいじめられていてそれを庇ったりして、トイレ掃除をしていたときにそのペンダントをみつけたこと。ユアに似ていると思いいろいろ聞いていたらユアに聞いた話に似ていて、もしかしてと思いその両親の子供の名前を聞いたらユアだったこと。それからいろいろあってユアに確認しに戻ってきたこと。
「とまぁ、ざっくりと説明するとこんな感じかな?」
「そうだったの……」
ユアはそう言いながらペンダントへ視線を落とした。
「……もう大分前だからお父さんとお母さんの顔も朧気だったけど、こんな顔をしていたんだ。レーナちゃん、このペンダントを持ってきてくれてありがとう」
ユアは懐かしそうペンダントを見ながらそう言うと、私の方に向き直り、お礼を言ってきた。
「いいよ。気にしなくても。それよりも、ユアが両親と暮らしていた家があるんだけど、一応、確認してもらえないかな? それに、村長さんがユアに会いたいみたいで……」
「……本当に? まだ、あの家が残っているの?」
そう聞かれて私はふと、こんなことを思った。
バーラ達がその家を管理していたから大分様変わりしている可能性もあるかも? と思った。まぁ、ユア達が暮らしていたときが分からないから絶対とは言えないけど……。その可能性もあるくらいは言っておいた方がいいかも。と思った。
「多分? 管理していた人達がいろいろと問題あったから様変わりしている可能性もあるけど……」
「そ、そうなんだ……」
ユアはそう言って少し残念そうにしていた。
「でも、変わっていない可能性とかもあるから村に行ってもらえると嬉しいかな?」
そう言うとユアは少し悩んでいる様子だった。




