165.アルディンの引き渡し
門に近づくと知っている人を発見した。
「あ、ヘルガさん」
そう言うとヘルガさんは私に気付いたようで近くの兵士に声を掛けてから近づいてきた。
「嬢ちゃん久しぶりだな。それにしてもどうして彼と一緒に?」
「ちょっと依頼先でたまたま発見して連れてきた」
「そうか」
「隊長持ってきました」
すると兵士の一人が拘束具を持ってきた。その後ろには2人の兵士を連れてきていた。もしかしてアルディンの拘束要員かな? とそんなことを思っているとヘルガさんが少し申し訳なさそうにこんなことを聞いてきた。
「すまないが彼はこちらで拘束しても?」
「はい。元々そのつもりで連れてきましたから」
「そうか、助かる。お前達、彼を拘束して連れていけ」
「「「はい!」」」
そう言ってアルディン兵士達に拘束されて建物の中に消えて行った。
「一応、嬢ちゃんにも彼のことを聞きたいと思うだろうから中で話をしようか?」
「はい」
そうしてヘルガさんに中へと案内された。
部屋の中に入ると他の兵士が飲み物を持ってきてくれたのでそれをいただいたのでそれを飲み終えるとヘルガさんが話を切り出した。
「まずは、アルディンを捕まえて来てくれたことにお礼を言いたい。本当にありがとう」
そう言ってヘルガさんが頭を下げた。
「いえいえ、気にしないでください。たまたま発見したので捕まえてここまで連れてきただけなので」
「私の方としてもまさかこんな事態になるとは思わなくて無事発見してもらえてとても助かった。後で、報奨金がもらえると思うから帰りに受け取って欲しい」
たまたま見つけて捕まえただけなのに報奨金がもらえるの? と思いながらもらえるものはありがたくもらっておこうと思った。
「分かりました。それよりもどういったのことがあってアルディンが逃げ出したのか教えて欲しいです」
「それでは、アルディンが捕まった後からお話をします」
と言ってどんなことがあったのかを説明してくれた。




