199.ルミア発見
「ユア!」
「大丈夫」
「ッチ! 何でこんな所に小娘が……。ん? 今朝の小娘なぜ動ける」
そう言うと私の方に視線を向けて来た。
「さては貴様が何かしたな?」
と言いながら私の方へと近づこうとするがそれを阻むようにユアが男の前に立った。
「ッチ!」
「レーナちゃん、ルミアをお願い」
そう言ってユアは男と武器を交え始めた。私はそんなユアが大丈夫なのかな……。と不安に思いながらも紐で吊るされていた女の子に視線を向ける。部屋に入ったときは一瞬しか視線を向けていなかったから誰なのかまでは分からなかったけど、そこに吊るされていた女の子はルミアだった。でも、そこには前会った時のような可愛い女の子という面影はなく酷く辛そうな表情をしたルミアがいた。服は所々地肌が見えるように破れ、その肌には蚯蚓腫れの痕もあった。それも体の至る所にも見られた……。まるで鞭に撃たれたかのような痕だ。私はルミアが蚯蚓腫れしていない箇所に手を添えルミアを吊るしていた紐を切って優しく受け止めた。
「っう!」
しかしそれでもルミアには痛かったようで呻き声を上げた。
「ごめんね。痛かった?」
「だ、大丈夫……」
と明らかに大丈夫そうでない感じで言われた。とりあえず抱えているルミアを降ろして座らせようと思ったけど、いろんなところに蚯蚓腫れがあるためこのまま座らせたらかなり痛いかもしれないと思った。
「ルミア、少しの間立っていられそう?」
そう聞くとやや弱々しい感じだったが頷いたのでゆっくりと地面に下ろして立たせる。ルミアが立ったことを確認すると私はポーションを取り出した。
「ちょっと服捲るよ? あと少し染みるかもしれないけど我慢をしてね?」
「うん……」
ルミアが頷いたのを確認して背中やお尻、足の後ろ側に出来ていた蚯蚓腫れにポーションを掛けて行く。掛けている間にルミアが少し呻いていたけど、とりあえずこれで壁にもたれてもそれほど痛くなないかな? と思いながらルミアを支える。
「ゆっくりと腰を下ろしてね?」
そういいながらルミアを壁に座らせる。それから、先程と同様に怪我をした部分にポーションを掛けていく。
それから全部で5つのポーションを使い切ってルミアの怪我を癒した。後で人目につかない所でユアと一緒に治療してあげよう。とそんなことを思いながら……。




