198.囚われた子達
最近忙しいので投稿が遅れるかもしれません……。(やや不安定になる可能性があります。ですが数日に1度は更新できるように頑張りたいと思います。何事もなく更新できるといいのですが(^^;))
扉の先には先程の部屋と同じような牢屋がいくつもあった。そして扉を開いて直ぐの場所には泣いている子供などが3人いた。しかし、その中にはルミアの姿はなかった……。
するとユアが泣いている子供たちに声を掛けた。
「君達、大丈夫?」
すると今まで泣いていた子がユアの声に気付いて怯えた様子をみせたが1人の男の子が他の子を庇うように前に出てきた。
「な、何の用だ」
男の子は声を震わせながら私達にそう聞いて来た。するとユアは男の子に視線を合わせるように屈んで話しかけた。
「えっとね。これくらいの背の女の子は見なかった? 名前はルミアって言うんだけど……」
そう言うと男の子が顔を歪めた。すると後ろにいた女の子2人も暗い表情をした。
「何か知っているのね? どこに行ったのか教えてくれない?」
「あっちに連れて行かれた……」
男の子はそう言って部屋の奥に向かって指を指した。するとユアが急ぐようにその方向に向かって走って行った。
「ちょっと! ユア!」
私は、ユアを呼び留めようとしながら走って行ったユアを追い掛けた。それと同時にまた女の子の悲鳴がより大きな声で聞こえた……。
それからしばらくユアを追い掛けていると声がした場所に着いたのか歩みが慎重になっていた。私はその様子をみて、ユアはそこまで冷静さをかいていないことに少しだけ安心した。そしてユアに声を掛けようとしたらユアが声にならないような悲鳴を上げて後退っていた。
「!?」
いったいどうしたのかな? そんなことを思いながらその部屋を覗くと大人の女性と思われる女の人が惨い姿で転がっていた。私は急いで安否確認したが脈が無かった。
「死んでいる……。(それもさっき亡くなったばかり……)」
女の人の死体はまだほんのり温かかった。おそらく階段を下りた後に聞こえた女の人の声は多分この人だったのだろう……。もう少し早くここまで来ていればもしかしたら助かったのかもしれない。そんなことを思いながら、とりあえずルミア達を救出しないと!
と思ったとき、隣の部屋から悲鳴が聞こえた。どこから! と思いながら周囲を確認すると女の人が倒れている近くに扉らしきものがあることに気付いた。ユアにも教えようと声を掛けようとしたらユアが扉の方に走っていてそのまま扉を開けた。不味い! 私はそう思って急いで中に入るとユアが短剣を使って切りかかろうとしていた男の人の剣を弾いて女の子を守っていた。




