188.この臭いは……
前話の後半を書き直したのでこの話から読む方は1話戻ってから読んでもらえると嬉しいです。(一部変更してすいませんm(__)m)
それからしばらく経ってから先程斃した男のことを思い出してどこにいるのかを探した。すると壁にもたれ掛かっているのを見つけた。あの男がユアの前でどんなことをしたのかとここで何をしているのかを聞くために男の元へ向かった。
先ほど戦った男に近づいて行くがこちらに気付く様子がなかった。もしかしてこちらの様子でも伺っているのかな? そんなことを思いながら慎重に近づいたが動く気配はなく、近くでその男のことを確認したがどうやら気を失っているみたいだった。そのことに少し安心しながら起きないか注意しながら男のことを確認したのだが周囲はたくさんの血で赤く染まっていた。
「……ちょっとやりすぎたかな?」
そんなことを思いながら念の為生きているのか恐る恐る確認した。一応、脈があるから生きていると思うけど未だに未だに血が流れている箇所があったので短剣と小太刀を回収してから傷口を火で炙った。
「うぅ……」
すると男の口から呻き声が聞こえたため起きないか警戒をしていたが起きる気配がなかった。起きなかったことに少し安心をすると肉が焼けたようなにおいが辺りに漂っていた。
「ん?」
今止血の為に傷口を焼いたからそのにおいがするのは分かるけどその中に異臭が混じっていることに気が付いた。今までユアのことで一杯で気付かなかったけど、この刺激的な臭いは何? そんなことを思いながらどこから漂っているのか気になり匂いが濃い場所を探すと部屋の隅に置いてある本棚の方からその臭いがした。
「……パッと見はただの本棚、だよね?」
そんなことを思いながら怪しい場所がないか探したけど、これと言って怪しそうな場所は無かった。
「う~ん。でもこの辺りからだと思うからなんらかの仕掛けがあると思うけど……」
そんなことを思いながら棚を押してみた。まずは正面から押したけどこの棚が動く気配はなく今度は横から押してみた。すると『ガチャ』という音を立ててそのまま奥へと移動していった。
「ほ、本当に動くとは……」
そのことに少し驚きながらも棚の後から扉が出てきた。
「多分この先ににおいの原因があるのよね……」
そんなことを思いながら私は意を決してその扉に手を掛けて開けるとそこには地下へと続く階段が現れた。
「く、暗いわね」
そう思い火を出そうとしたけど、あまり風の通らないところで火を出すと空気が薄くなるかも。そう思って光魔法を試してみるといい感じに周囲が照らされた。
「これは、便利かも」
そんなことを思いながら階段をゆっくりと降る。少しずつ臭いがきつくなっていったが階段を下りた先には扉があった。
「今度こそ」
私はそう思ってその扉を開けた。




