186.男の人との戦い
とりあえずユアは生きているが兎に角あの男からユアを離さないと危険だ! そう思い刀を抜き、男の人の方へ走ってから刀を横に薙ぐ。すると男の人は刀を薙ぐ少し前に私の存在に気付いたようで少し慌てて剣を抜き下がった。
「おっと」
するとユアに刺さっていた剣が抜かれたことによりそこから多くの血が流れ出ていた。
「こんな所に子供がどうやって入ってきましたか?」
「あなたには関係ないでしょ」
そういいながら男から目を放さないでポーションを取り出し、ユアが怪我をしている部分に掛けていく。
「彼女を甚振ってから止めを刺そうと思っていましたが、あなたは私の邪魔をするようなので先にあなたから始末してあげましょう」
そう言うと男の人は私に襲い掛かって来るが難なく受け止めた。
「!?」
そのことに男の人は驚いていたけど反撃をして行くが全部躱されていしまった。
「ほぉ、思っていた以上にやりますね……。ですがこれはどうでしょう?」
そう言うと男の人の攻撃速度が速くなった。これくらいなら……。とそんなことを思っていたら少しずつ攻撃速度が速くなっていく。これは、少し不味いかも……。
そんなことを思いながらもユアから離れるように討ち合っていた。
最初は徐々に早くなって男の人の攻撃を何とかやり過ごしていたけど、男の人との討ち合いをして少し慣れてきた。そのお陰か、たまに攻撃を仕掛けれるくらいには余裕が生まれた。後はどのタイミングで仕掛けようか悩んでいると男の人が一旦距離を取った。
「なかなかやりますね……」
そんなことを呟きながら私を見て来たのだが一瞬だけユアに視線が向いたことを私は見逃さなかった。
「あなたはどんな顔をするでしょうか?」
男の人はそう言いながら怪しげな笑みを浮かべていた。ユアに何か仕掛けるかもしれない。そんなことを思っていると男の人が私の方に走って来たので私は迎え討つ。すると先ほどと違い軽い感じの攻撃だったことに違和感を感じながら弾く。すると男の人はその攻撃の後、一旦距離を置いた。と思ったらそのままユアの方へ走り出した。
「しまった!!」
そんなことを言いながら男の人の後を追うが出だしが遅れたのと男の人の方がユアに近いこともあって私は追いつくことができないと思った。不味い、何とかしないと! そう思いとにかく行動を阻害しないとと思い、先程回収したユアの短剣を男の人の右膝裏を狙って投げつけた。
「ふんっ!」
「うっ!」
すると男の人は右膝裏から短剣が突き刺さると呻き声を上げながらもユアに近づいて剣を振り下ろそうとしていた。位置的には胸辺り、このままじゃあユアが殺される!! そう思い一か八か右腕に向かって小太刀を投げた。




