176.プレゼント
それから3人でおしゃべりをしていたらいつの間にか外が暗くなっていた。ちょっとした休憩のつもりが思いの外、話しに夢中になっていたみたい。なのでフローラにそろそろお暇することを告げてから別れた。そうして私達は帰路についた。
その日の夜、食事やお風呂を済ませて後はゆっくりしてから寝るだけとなった。私はベッドに座るとあるものを取り出した。
「ユア、こっちおいで?」
そう言いながら股の間をポンポンと叩くとユアが嬉しそうにしながら座った。私はユアの髪を触りながら今日作ったシュシュをユアに付けてポニーテールにしてあげた。
「?」
するとユアは髪の毛が束ねられたことに気付いて手で探っていた。
「これって今日作ったシュシュ?」
「そうだよ。フローラには前あげたからユアにもあげようと思ってね?」
「そうなの。……ありがとう」
ユアは小さな声でだけどお礼を言って来た。後ろ姿なのでどんな表情をしているかわからないけど喜んでいるみたい。
「どういたしまして」
そう言いながらユアの頭を撫でるとユアが私にもたれて来たので軽く抱くようにしながらユアの頭を撫でていた。
それからしばらくして寝ることになったけど、そのままの髪型じゃあ……。ということでユアは髪を解くとシュシュを持ったまま悩んでいる様子だった。
「どうしたの?」
「このシュシュを持っていたいけどこれから寝るからどうしようかな? と思って……」
「それなら手首に付けるといいんじゃない?」
そう言うとユアは手首にシュシュをつけた。
「これなんかいいかも」
そう言うとユアは横になり、シュシュを胸元で軽く抱くようにしていた。どうやら思っていた以上に気に入ってくれたみたいで私としても嬉しく思いながらベッドに寝転がるとしばらくして眠りについた。
それから4日間はしっかりと依頼をこなしたり、魔物を斃したりしてお金を稼いだ。毎日ウルフを発見して斃せたおかげで1日の稼ぎは平均は銀貨18枚。ユアと分けても銀貨9枚で、今日の報酬も入れて4日間で銀貨36枚稼いだことになる。それなりのお金を稼げているけど、アイテムボックスを持っていなかったらここまで稼げていなかったと思う。ウルフの素材全部を持ち帰ること何て普通の人はできないみたいだから……。まぁ、ユアにそう言われて気付いたんだけど……。
それから冒険者ギルドを後にして宿へと帰路についた。今日はユアとちゃんと話そうと、そんなことを思いながら……。




