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・・・自由に生きよう!  作者: 夜叉神
第三章 リンフレッドに潜む影
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169.ルミアとの約束



「でも、まぁ、ルミアはユアに謝ろうとしていてよかったわ。ここに来て謝らないとか言われたら私が困ったから」


 そう言いながら少しだけ苦笑いをした。


「で、でも、ユアお姉ちゃんは孤児院を出て行ったわけだから、もう戻って来ないかもしれないから……」

「そういえばそんなこと言っていたかも……」


 そう言うとルミアの表情が暗くなっていた。ルミアはユアに謝ろうとしているのに肝心のユアと会えなかったら意味がないことに気が付いた。


「どうにかしてユアをルミアと会わせないといけないのか……」


 ルミアをユアの元へ引き合わせるということをしてもいいけど、ユアはルミアと顔を合わせるのが怖いみたいなことを言っていたからなぁ。もし急に会わせるとどこかに逃げちゃう可能性があるよなぁ。……それならユアに孤児院に行ってもらうしかないか。


「ルミアはユアに謝る心の準備は出来てる?」

「え?」


 ルミアは私の言ったことに驚いていたけどしばらく経って私の言った意味が分かったのか何度も頷いた。


「それなら、ユアに孤児院に足を運ぶように何とかしてみるね?」

「ほ、ほんと!?」

「うん。だからちゃんと仲直りするのよ?」

「うん! で、でもレーナさんどうお礼をしたら……」


 ルミアはそう言うと困った表情を浮かべていた。


「そんなこと気にしなくてもいいよ」

「で、でも、そこまでしてくれると言うのに何もしないなんて……」


 何かどこかで聞いたような台詞だなぁ……。


「とりあえず、ルミア、ちゃんと話してユアを仲直りをすることだけ考えないさい」

「え、でも……」

「仲直りが必ず上手く行くとは限らないのよ? それなのにその機会を作ると言っただけでその場でお礼を考えるのは間違っているよ?」

「……」

「そんなこと気にしなくてもいいからユアと仲直りすることだけ考えていなさい」

「は、はい」


 ルミアがちゃんと返事をしたのでとりあえずこれで良しとしよう。と思い頷くとルミアがこんな質問をしてきた。


「そ、それでいつのどの時間にここに来るように言ってくれますか? あ、その、やることがあって絶対ここにいるとは限らないので……」

「あ~、5日後の朝でもいいかな?」

「だ、大丈夫です」

「じゃあ、私はそれまでにユアのことを何とかしておくわね。だからルミアはユアと仲直りをする。約束よ?」

「はい」


 そこには先程のルミアの泣き顔はなく決意に満ちた瞳を私に向けていた。



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