167.確認をしに行く
それから裏道をしばらく歩いていると目的地らしきものが見えた。
「多分あれだよね?」
そんなことを思いながらこの辺りでは大きい建物へと向かった。
大きな建物の前に着くと門? らしきとこらから入り建物へと向かった。そして建物の前に来ると誰かいないか声を掛けた。
「すいません。誰かいますか?」
「はぁ~い! 少し待ってください!」
と奥の方から女の子の声が返って来たので入り口でしばらく待っているとユアよりは少し背の低い女の子が出てきた。髪は黒っぽい緑色なのかな? その髪が背中程まで伸びている。何かの作業中だったのか袖を捲っていた。ちょっと変なタイミングできちゃったのかもしれない。そんなことを思っていると何だか緊張した面持ちで声を掛けて来た。
「ど、どのような用件でしょうか?」
「えっと、ルミアっていう子がいる孤児院に来たつもりだけどあっているかな?」
「え? ……あ、はい。そうですが……」
と女の子は困惑している様子だった。急に訪ねて来た人がそんなことを聞いて来たから戸惑っているのかな? とりあえず私が訪ねようと孤児院に来れたみたいで私は少し安心した。
「それでルミアという子と話がしたいんだけどいるかな?」
「えっと、その、私ですがあなたは誰ですか?」
「私はレーナと言います」
「レーナさんですか……。それで私にどのような用件で?」
「ユアのことについて聞きたくて」
「……ユアお姉ちゃんのことですか?」
ルミアは硬い表情になりながら視線を落とした。そのとき一瞬だが暗い顔をしたのが見えた。そんなルミアの様子をみてもしかしてユアと同じような状態になっているかも……。
「……うん。ユアから大体の事情は聞いたから。それであなたに聞きたいことがあって来たの」
するとルミアは緊張した様子を見せながら聞いて来た。
「な、何でしょうか……」
「ユアの話を聞いて私が推測しただけだなんだけど、あなたはユアに謝ろうとしていたのでは? と思ってどう思っているのか聞きたくてここに来ました」
私がルミアにそう言うと少し驚いた顔をして私を見て来た。
「……それで本当の所はどうなの?」
「あ、謝りたかったです……」
ルミアの言葉を聞いて私は、やっぱりそうだったんだと思った。じゃないとユアの部屋の前でウロウロとか孤児院を出て行こうとしたときに声を掛けようとは思わないよね。そんなことを思っているとポタポタと水滴が落ちる音がした。音がする方を見るとルミアが少し顔を伏せながら泣いていた。




