166.フローラと会う
そうして、干し肉、塩、胡椒が売っている場所を探して購入した。全部で銀貨8枚となかなかのお値段がしたが……。ユアは私が胡椒を買った時にその値段を聞いて驚いていた。塩の半分未満の量しか買っていないけど銀貨5枚もしたのだ。この前広場で見たときよりも少し高くなっていた気がしたが時期的な問題なのかな? とそんなことを思いながら広場を後にした。
欲しい物を買い終えた私はこれと言って特に用事もなかったので宿に戻ろうと歩いていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「ユアとレーナちゃん?」
声がした方を振り向くとそこにはフローラがいた。
「フローラ」
肩には鞄を下げていたから学校帰りなのかな?
「やっぱりレーナちゃん達だったの。ちょっと見覚えのある後ろ姿だったからもしかしてと思って声を掛けたけど」
「そうなんだ。フローラは学校帰りのなの?」
「うん。レーナちゃん達も仕事帰りなの?」
「まぁ、……そんなところかな?」
そう言いながらユアに視線を向けると少し苦笑いしながら頷いていた。実際にはちょっと違うけどいいよね?
「……?」
フローラは私達を見て少し首を傾げていた。
「……もしこの後、時間が空いているなら私の家に遊びに来ない、かな?」
フローラはこちらの様子を伺うようにしながらそう聞いて来た。
「ええっと」
ユアは少し困ったような表情をしながら私の方を見て来る。別にユアが決めてもいいけどなぁ……。とそんなことを思いながらフローラの所に遊びに行こうかな? と思った時あることを思いついた。せっかくの機会だし1人であそこに行ってみようかな? と思った。とりあえずフローラの所にはユアを先に行かせてから後から合流すればいいかな?
「フローラの所に遊びに行ってもいいけど私は少し用事があるからユアと2人で先に行ってもらってもいい?」
「? 私はいいけど……」
そう言ってフローラはユアを見るとユアは私の方を見て来た。もしかして私の用事のことが気になるのかな?
「そこまで時間はかからないと思うから大丈夫だよ?」
「……わかった」
「レーナちゃん後から私の家に来てくださいね? 多分私の部屋にいると思うから」
「わかった」
そう言うとフローラは私に手を振りながら歩き出した。その際、ユアは私の方を少し心配そうに見ていたから『ちゃんと後から行くから大丈夫だよ』と言うと若干不満そうにしながら頷いてフローラの隣へ歩き出した。それから2人で何か話している様子を少しの間見送りながら2人は人混みへと消えて行った。
「さて、せっかくの機会だしあそこに行って聞いてみようかな?」
そんなことを言ってから私は歩き出してとある場所で通りから裏道へと入って行った。




