162.フローラとユア
「ここ最近、レーナちゃんと会うことがなかったのはずっとお仕事をしていたからなの?」
「まぁ、そんなところかな?」
確かにフローラの言う通り、お仕事のこともあったけど、用事もないのにフローラの家に行くのは何だか行きにくいからなぁ……。
「それじゃあ、私と遊んだりすることは難しいの……」
フローラは残念そうに呟いていた。私はフローラのその言葉を聞いてもしかしてもっと仲良くしたいのかな? と思ったらついフローラの言葉を否定した。
「そこまでは難しくないよ?」
「そうなの?」
私の言葉を聞いたフローラは少し嬉しそうにしながら私をみて聞いていた。
「う、うん。しばらく暮らせるお金が貯まればフローラとも普通に遊べるよ?」
「それならいつ遊べそうなのかとか分かるの?」
「それは……」
と言って後ろ辺りにいるユアに視線を向けると目があった。
「わ、私のことは気にしなくてもいいよ! レーナちゃんとフローラさんの予定が会えばいつ行ってくれても大丈夫だよ!!」
ユアは自分のことを気にしないでいいと言ったけどフローラと遊ぶためにユアを1人にするのは凄く不安なんだけどなぁ……。
「ユアさん、その、私はレーナちゃんとだけって訳じゃないから一緒でもいいよ?」
「そ、それだとフローラさんに迷惑が……」
「そ、そんなことないです! で、できれば私とも仲良くして欲しいです」
フローラはそう言いながら顔を赤くしていた。そんなフローラの様子をみて、私はフローラと会った時のことを思い出して、私の時よりも何だか積極的だと思った。まぁ、早くユアと仲良くなってくれるのなら私としても嬉しいけど……。
それからしばらく、ユアは沈黙をしていたけどフローラを見ながら不安そうに話しかけた。
「……私なんかでもいいの?」
「!? 大丈夫です! レーナちゃんと仲がいいのなら悪い人じゃあないと思うから気にしないでください!」
「そ、それならお言葉に甘えさせてもらいます」
ユアはフローラにそう言いながら嬉しそうにしていた。
「お願いします。それとこれからはさん付けはなしで呼んでもらえると嬉しです」
「わ、分かったわ。ユア」
「こ、こちらこそよろしくお願いします。フローラ」
そうしてユアとフローラは互いを呼び捨てに仕合ながら仲を深めて行った。そんな中、私は彼女たちが仲良くなってくれてホッとしていた。




