159.ユアの想いとは
つまりユアは寂しかったってことなのかな? でも、仮にそうだとすると最近起こった孤児院での出来事やそれ以前の関係から考えるとユアにとって頼れる人と言うか相談できる人がいなかったのかもしれないと思った。院長先生も孤児院を支えるためにかなり働いているみたいなこと言っていたし……。
そう考えるとユアが甘えることができたのは生前の両親だけだった可能性が高いかもしれない。異様に私に甘えて来る理由は分からないけど私としては嬉しいからいいけどね?
まぁ、この世界だけで考えたら私もユアと似たような環境かも知れないけど、私には前世の記憶があるからそこまでじゃないと言うか……。どちらかというと育った環境が環境だったのと前世の記憶もある分精神年齢的には年齢のわりには大人びているかもしれないかも? と少しだけ思う。ちょっと自意識過剰かもしれないけど……。
そんなことを思いながら今だに顔を隠しているユアを落ち着かせていた。
それからユアが落ち着くとまだ若干顔が赤いながら心配そうにこちらを見て来た。
「あの、レーナちゃん。さっきのことだけど……」
そう言いながらチラチラと私の方を見て来る。ユアの今までの様子から考えると嫌われないか心配でもしているのかな?
「別に嫌いになんかならないよ?」
「え? ……本当に?」
ユアは私の言った言葉に驚いていた表情をしていたけど、どうやら私が予想した通りのようで本当にいいのか聞いて来た。
「うん。それにユアが私にお願いしたかったことって、要するに私に甘えたかったってことでいいの?」
「!???」
ユアは声にならない悲鳴を上げそうになっていたけどしばらくしたら顔を赤くして頷いていた。
「まぁ、私はユアに甘えられるのも嫌いじゃないから構わないけど……」
「本当に?」
「うん。ただ時と場合だけは考えてね?」
そう言うとユアは恥ずかしそうにしながら頷いた。
「とりあえず今は昼食までだよ?」
「!? うん!」
それから昼までユアと過ごして、から昼食を食べてフローラがいる服屋さんへと向かった。




