158.ユアが欲しいものとは?
「とりあえず私にして欲しいことが決まったら教えてね? できそうになかったら悪いけど断るからその辺りも考えて決めよ?」
「そ、それならレーナちゃんを感じていたい……」
「!? ――??」
ちゃんと私のできることで考えて欲しい。とユアに言ったから、ユアはしばらく考えてからして欲しいことを言うのかと思ったら直ぐに決めたことに驚いた。でも、ユアがして欲しいことがいまいちわからなくて首を傾げていた。私を感じていたいってどういうこと? 抱きついたりしたらいいのかな? と考えたけどそれならよくやっているから今お願いすることじゃないよね?
「……えっと。……どういうこと?」
「そ、それは……。レーナちゃんに抱かれていると凄く落ち着くと言うか。(それにレーナちゃんの匂いを嗅いでいると落ち着くから……)」
やっぱり抱く事なのかと思ったら小さな声だったけどレーナちゃんの匂いが……。とう声が聞こえた。
「私の匂い?」
もしかして私から変な臭いでも? と思って自分の臭いを嗅いでみたが変な臭いはしなかった。
(自分の臭いだから分からないのかな?)
そんなことを思いながら私の体が臭いのかを聞こうとユアに視線を向けると口をパクパクさせていた。
「? どうしたの?」
「あ、いや、その、……もしかして聞こえたの?」
と少し慌てた様子を見せたが恐る恐るそんなことを聞いて来た。
「私の臭いがというのは聞こえたけど。……もしかして臭かったの?」
「そ、そうじゃないよ! いい匂いって意味だよ!」
「いい匂い?」
「はぁう~」
臭いと言う意味じゃなくていい匂いなの? と思って聞き返すとユアが顔を真っ赤にして手で顔を隠して呻いていた。何というか湯気が出そうなほど顔が真っ赤かだけど……。まぁ、臭くないのならいいけどいい匂いって何だろう? と思いながらユアのお願いのことを考えていた。
(ユアの話から考えると多分もっと仲良くしたいって言うことでいいのかな? でもそれだと私のことを感じていたいってどういう意味なの?)
そんなことを考えているとあることを思い出した。
確か前世の妹もユアと同じようなことを言っていた。妹が私の服を勝手に着て怒ったときそんなようなことを言っていたかも。あのときは私が小学校に上がってしばらく経った頃かな? 友達とよく遊ぶようになって妹とあまり遊ばなくなっていった。そんなとき私の服を勝手に着ていて怒ったけど泣きながら『お姉ちゃんがあまり遊んでくれないからお姉ちゃんを感じていたくて着ただけだもん!』と言われてそれ以上怒ることができず、そんなに寂しがっていたなんて悪いことをしたと思った。
その後、妹を宥めて落ち着かせてから『私の服を着ると私を感じられるの?』と聞くと『うん。お姉ちゃんの匂いがするから。でも、お姉ちゃん抱きつくともっとするの!』と言って抱きついてきた。最初は臭いと聞いて臭いのかと思ったらそう言うことじゃなくてユアが言っていたように『いい匂い』と言っていたことを思い出した。




