149.戦闘終了
ウルフは私からある程度距離を取ると今度は横へ移動を始めた。何をしようとしているの? そんなことを思いながらウルフの様子を見ていると私から一定の距離を取り、移動をしていることに気付いた。
(もしかして私と距離を置いたままユアの方に向かおうとしているの?)
そうだとしたら不味いかもしれない。そう思いユアの方に回り込ませないように移動をするとウルフの動きが止まり私の方を向いた。
しばらく私の方を見ていると急に私の方に駆け出して来た。ただ真っ直ぐ走っているわけではなく少しジグザグと走って来た。もしかして正面からじゃあ同じようにやられるとか思ったのかな? そんなことを思いながらどこから攻撃してきても大丈夫なように構えていた。そして私の正面に接近して来たのでこのまま攻撃を仕掛けて来ると思った。
「!?」
すると私までの距離が5mを切ったとき進路を変えてきた。もしかしてユアの方に行くつもり!? そう思い私はウルフの進路を阻もうと走り出したが元々走っていたウルフと立っていた私ではうまく進路を阻めそうになかった。そのことを理解したときどうにか阻まないと! と思い通り過ぎようとしていたウルフに、咄嗟に側面から蹴りを入れた。
「ギャッウン!」
「うっ」
何とかウルフを転ばすことはできたけど体重差と速度差もありウルフの後ろ脚に少し引っ掛かって背中から地面に落ちて転がった。少し痛かったけどすぐに立ち上がりウルフに近づくと立ち上がろうとウルフがもがいていたけど立ち上がれないでいた。私の蹴りの影響で骨が折れたのかもしれない。そんなことを思いながらさらに近づくと前足を使って攻撃を仕掛けようとしてきたので足を切り落としてから首を切り落とした。
とりあえずウルフ2匹の処理は終わった。そう思い先程からぶつかり合う音などが聞こえて来る方を見ると、ちょうどウルフの片方の前足を切り落としたところだった。
悲鳴を上げていたウルフはもう一方の前足で攻撃しようとしていたが、あっさりとユアが弾いて、首に短剣を刺して直ぐに抜き去り離れた。すると抜いたところからドクドクと血が流れていくと次第にウルフの瞳から光が消えていった。
ユアとウルフの戦いは全部見ることはできなかったけどこうしてみると前回よりもうまく立ち回っていたのかも? とそんなことを思っていた。




