147.ユア戦う
それからしばらくするとゴブリンが現れた。そして近くに来た瞬間背後から首のあたりを短剣で一閃。するとゴブリンの首の7割ほど切り裂いていてゴブリンはその場で倒れた。
「ゴギャ」
「ゴギャゴギャ」
すると遅れてやって来たゴブリン2匹が喚きながらユアに向かって行く。一方ユアはというと、一撃でゴブリンを刈り取れて驚いた表情をしていた。でもゴブリンの声がするとすぐにその方向に向き直って武器を構えた。
そしてゴブリンがユアに向かって棍棒を振り下ろしたがユアはそれを横に薙いで弾いた。体勢を崩したゴブリンの腕に短剣を振るうとゴブリンの腕を切り飛ばした。もう1匹のゴブリンがユアに向かって棍棒を振り下ろして来たが、ユアはそれを何とか躱して距離を取ろうとした。しかし片腕のゴブリンがユアの方に走って行って直ぐに間合いを詰められてユアが応戦していた。
それからしばらく防戦になっていたユアが棍棒を大きく弾き、態勢を崩したゴブリンに向かって突っ込んでいった。そしてそのまま脇腹辺りを切り裂いたかと思ったらそのまま走って行き、喚いているゴブリンに向かって走り首を刎ねた。すると後ろから追いかけてきたゴブリンがユアを殴ろうとしてきたが、ユアは先ほど倒したゴブリンを向かって来たゴブリンに向かって倒す。驚いたゴブリンは止まろうとしたが上手く止まれず、倒れてきたゴブリンに押し倒された。ユアは倒れたゴブリンに近づいて頭部に向かって短剣を刺すとたくさんの血が飛び散ったがゴブリンは動かなくなった。
ユアはゴブリンが動かなくなったのを確認すると少しホッとしたような表情を見せてから短剣を抜き取った。
「お疲れ様、ユア」
そう声を掛けながら近づいて行くと私の方に振り返った。
「う、うん。思っていたよりも楽に斃せたかも……」
「ユアが成長している証だよ。ほら、よしよし」
と言いながらユアを抱きしめてから頭を撫でてあげた。
「れ、レーナちゃん!? 服汚れちゃう!」
と言って離れようとしたけどしかっり抱き締めているからユアは離れることはできない。
「そんなこと気にする必要ないよ? それにユアはよく戦えていたから褒めてあげないと」
「い、いや、その……」
と言いながら抱きしめ返してくれた。少しユアの横顔を覗いて見たけどユアは嬉しそうにしていた。
私はその様子をみて少しだけ安心した。昨日のことがあったらちょっとだけ無理をしているのかな? と不安になっていたけど今は大丈夫みたい。そんなことを思いながらユアの頭を撫でていた。




