137.お風呂
誤字報告をしてくださっている皆様いつもありがとうございます。お礼の返事が出来ないのでここで失礼します。m(__)m
私はお風呂場へと入ると早速お湯を入れ始める。湯船にお湯を張るのは時間が掛かるからね? それからしばらくするとユアが入って来た。
「もう少し時間がかかりそうだから先に頭と体を洗っていて?」
「う、うん」
そう言うとユアは頭を洗い出した。それからしばらく浴槽のお湯が張れたので私もユアと同様に頭と体を洗ってから湯船に浸かる。
「はぁ~」
と言いながら目を閉じる。お風呂に入ると1日の疲れが溶けていく気がする。そんなことを思いながらしばらく湯船に浸かっているとユアが動いているのかお湯が波打っているのを感じてユアの方を見ると私に手を伸ばそうとしたり引っ込めたりしていた。
「どうしたの?」
「え!?」
ユアは私が急に声を掛けて来たから驚いたかと思ったら伸ばしていた手を引っ込めようとしたので掴む。
「わっ!」
「どうしたの?」
「え、そ、その……。ちょっと、悩んでいただけ……」
「? 何を?」
「……」
と聞くとユアは黙って俯いてしまった。私から聞かない方がよかった? とそう考えてもしかして孤児院のことかな? とそんなことを思った。
「……別に無理して話さなくてもいいよ?」
「え?」
と言ってユアは私の方を見て来た。
「多分だけど孤児院のことでしょ?」
そう聞くとユアは視線を逸らしてしばらくの間黙っていたけどゆっくりと頷いた。
「最近考え事をしているとき暗い顔をよくしているよ?」
「え?」
「まぁ、私に何かできるってことはないけどユアを支えてあげるくらいなら多分できると思うから無理だけはしないで?」
「…うん、ありがとう」
と言ったユアは少し俯いていた。私はそんなユアの頭を優しく撫でてあげた。
それからしばらくしてそう言えば手を掴んだままだったことを思い出してその手をゆっくりと放すとユアが私の手を掴んできた。そのことに驚いてユアを見る。
「そ、その、レーナちゃんと触れ合っていたいの……。その、落ち着く、から……。駄目、かな?」
とユアは不安そうにそう言いながら私を見上げて来た。
(か、かわいい)
という言葉を何とか飲み込む。最近というかユアを見るとよくそんなことを思う。前世では妹を可愛がっていたけど今の世界ではそんなこととは無縁な生活を強いられてきたからこう……。何というのかな? 反動なのかもしれないけどユアを可愛がってあげたくなる。もしかしたらユアの境遇の事もあるのかもしれないけど……。一応、妹は居たけど私の立場が微妙だったのと長いこと一緒に居るなんてことができなかったから……。
「……とりあえずお風呂を出るまでね?」
そう言うとユアは嬉しそうにしていた。
(私と手を繋いでいるだけでこうも嬉しそうにされると何だか照れるなぁ……)
とそんなことを思っていた。それからお風呂を出るまでユアは終始嬉しそうにしていた。




