129.武器の新調2
「どうしました?」
「いや、オークが剣を持っていた。と言ったから上位種かと思っただけだ」
「え? 剣を持っていると上位種なんですか?」
「……その可能性が高いだけだ」
「そうなの? 因みに私達が遭遇したのオークは剣を持ち始めて1日経ったぐらいみたいだけど……」
とそんなことを言うと何となくだけどエギルさんから不思議そうにしている気配を感じた気がした。
「どうしてそんなことが分かる?」
「それは、彼女が最初に遭遇した時は持っていなかったと聞いてから実際にオークに遭遇するまでに1日ほどしか経っていなかったから」
「そうなのか……」
と言ってエギルさんは奥の部屋へと入って行った。
「ど、どこ行っちゃったの?」
と私の後ろからユアが少し心配そうにそんなことを聞いて来た。
「さぁ? わからない」
「え? ……もしかして私が原因なのかな?」
「そんなこと無いよ。多分だけどしばらくしたら戻って来るんじゃない? ユアが心配する必要はないと思うよ?」
「そう、かな……」
とユアは不安そうにしていたけどエギルさんのこの行動には心当たりがある。でも、今回も同じようなことがあるかは分からないのでユアを落ち着かせながらエギルさんが戻って来るのを待っていた。
それからしばらく経った頃にようやくエギルさんが戻って来た。するとエギルさんは私達の方にやって来て短剣を差し出したので受け取る。
「おぉ……」
(……もしかして小太刀なのかな?)
と渡された短剣? を見てそう思った。私が持っている刀と同じように刃が反っていたから多分そうじゃないかな? とそんなことを思いながら驚いていた。
一方ユアはというと短剣を鞘から抜いて目を真ん丸にしていた。何にそこまで驚いているのかわからないけど悪い驚きじゃないから多分大丈夫かな? そんなことを思いながらエギルさんに気になったことを聞いてみた。
「エギルさん、私が持っている武器に合わせてくれたのですか?」
確か刀はなかなか売れなくて作っていなかったはずだから多分この武器もそうだと思うからもしかしたらわざわざ作ったのでは? と思ったからだ。
「……」
するとエギルさんはしばらく無言のままでいたがゆっくりと頷いた。
「そうですか。ありがとうございます。多分ですけど小太刀ですよね?」
というとエギルさんは表情こそは変わらなかったが頭を掻きながら頷いていた。もしかして照れているのかな? とそんなことを思いながら気になったことを聞いてみた。
「……因みにこの武器の値段は?」
「銀貨3枚。そっちの嬢ちゃんの武器は銀貨1枚だ」
「え?」
値段を聞いたユアは驚いた声を上げていた。私も初めて来たとき驚いたなぁ……。とそんなことを思いながらお金を払うとユアもお金を取り出して渡していた。
エギルさんはお金を受け取って頷くと中へと消えて行った。そして残った私達はというと。
「この武器本当に銀貨1枚でいいのかな?」
「さぁ? でも、エギルさんがそう言ったからいいんじゃない?」
「……そうかな?」
「そうだよ」
そうして私達は武器屋を後にして依頼をこなすために森へと向かった。




