128.武器の新調
今日から3章が始動です。
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ギルドを出て早速依頼をこなすために森へ行こう! と思ったけどユアが武器を持っていないことに気付いた。オークの件のときはユアが持っていた武器が折れていて私の短剣を貸していたはず……。まぁ、その時の短剣は折れちゃったけどその代わりユアの命が助かったと思えば安い物だから気にしていないけどね? そういうわけで現在、ユアは武器を持っていないことになるはず。
「ユアって武器はどうしたの? 結局買ったの?」
「え? あ!!」
ユアは一瞬不思議そうな顔をしていたけど反応を見る限り持っていないみたいだ。
「ご、ごめん、まだ買っていない……」
と頭を下げながら申し訳なさそうにしていた。
「それならまずユアの武器を買いに行こうか?」
「う、うん」
「どこか行きたい武器屋さんとかある?」
「特にない、かな? レーナちゃんはいい武器屋さんって知っている?」
「知っているというか最初に行った武器屋さんでしか買ったことないから……」
「それならレーナちゃんが買ったと言う武器屋さんで買いたい」
「それでいいの?」
「うん」
「分かった。じゃあ行こうか?」
と言ってユアの手を握る。
「人が多いからこの手を放さないでね?」
「う、うん!」
とユアが頷いたのを確認してから一緒に人混みの中を歩き出した。
そしてしばらく歩いて私がお世話になっているエギルさんの武器屋に着いた。
「ここがお世話になっている武器屋さんだけど」
「こ、ここが……」
と言ってしばらくすると何かを決意したかのようにそっと店内を覗いていた。まぁ、ちょっと暗い感じのお店だから大丈夫なのか不安になっていると思うけど……。
「じゃあ、入るよ?」
「う、うん」
と言ってユアが頷いたのを確認して店内に入る。
「エギルさん? いますか?」
そう呼んでしばらくするとエギルさんが出てきた。するとユアは出てきた男の人に吃驚したみたいで私の後に隠れて様子を窺っていた。まぁ、見た目が怖そうな人だからユアが驚くのも仕方ないかもしれない。私も最初にあったとき少し怯みそうになったし……。
「嬢ちゃんか、今日は連れと一緒か」
「うん。それで彼女の武器とこの前買った短剣が折れちゃったから新しいのが欲しくて買いに来たの」
そう言うとエギルさんの眉が少しピクッとした。
「……折れた短剣は持っているか?」
「あるよ?」
と言って折れた短剣を差し出した。
「……刀身が真っ二つになっているが何があった?」
「それは」
「わ、私が借りて、その、こ、壊しちゃいました」
私が理由を言おうとしたらユアが自分が壊したことを言った。まぁ、確かにそうかもしれないけど。エギルさんを少し怖がっているみたいだけど大丈夫かな? まぁ、もし何かあったらフォローしてあげよう。とそんなことを思った。
「……何をしたら折れた?」
「そ、それは、オークから攻撃を受けたときに……」
「オークから攻撃? 嬢ちゃんオークと戦ったのか?」
と少し怪訝そうにそんなことを聞いて来た。確かギルドだとDランク相当の魔物だからいかにも新人そうな彼女を見たらどうしてそんな無謀なことを……。と思っているのかもしれない。
「そ、それはいろいろあってオークと遭遇して戦うことに……」
「オークと戦っていたときに折れたのか?」
そう聞かれてユアはコクコクと頷いた。
「何をやったときに折れた?」
「え、えっとオークが剣を振るったときに避けきれなくて咄嗟に短剣で受けて……。そのときに折れちゃいました……」
「オークが剣を持っていた?」
エギルさんは少し顔を顰めながらそう呟いていた。




