127.エレナさんとのお話3
「それで先ほどの続きの話ですがメンデスさんがギルドに運ばれてきました。とても酷い容態でしたが無事です」
ユアはメンデスの話が出てきたとき少し緊張をしていたけどメンデスが無事だということを知りホッとした様子を見せていた。あんなに酷い事をされてきたのに心配できるなんてすごいなぁ……。とそんなことを思った。
「ゼロスさんから聞きましたがレーナさんが応急処置をしたそうですね?」
「まぁ……」
一応、応急処置はしたけど脅しながら苦痛を味わわせていたけど……。彼女にしたら拷問されたように思っているんじゃないかな? まぁ、どうでもいいけど。
「折れていた足を固定したり、切り落とされていた腕を焼いて止血したそうですね」
エレナさんに聞かれたことは確かにしたことなので頷いた。
「いい判断と医務室担当の者が言っていました。かなり血を流していたようで危なかったそうですがちゃんと処置をしたお陰もあって彼女は無事だったみたいです」
「そうですか……」
まぁ、ユアにお願いされたことも多少はあるけど彼女には今までしてきたことに対して償いをして貰わないといけないからね? まぁ、彼女には何らかの罰があるみたいだし治療費とかも払わせられるだろうけど……。
そう言えばエレナさんは話が2つあると言っていたのでもう一個の話は何だろうと思って聞いてみた。
「エレナさん、もう1つの話は何ですか?」
「それはですね森の異常についてです」
そう言えば私が受けていた依頼は森の異常に関することの調査依頼だったからそのことについてのお知らせなのかな? でも、前回の話では、次回で調査依頼をおしまいにして次の段階に移すとか言っていたかな?
「レーナさんには調査依頼を出して調べてもらっていました。それで前回のお話の時には次回で最後になって調査内容を次の段階に移すという話をしたと思います。一応、報告をして貰っているのでおしまいにはなっていますがオークの一件があり高ランク冒険者の方に緊急で現場の調査とオークの討伐依頼を出しました」
ん? もしかしてゼロスさんに会った理由って……。
「レーナさん達もあったと思いますがゼロスさんに会いましたよね?」
そう聞かれたので私達は頷いた。
「メンデスさんをギルドに預けてから森の調査をして貰ったのですがオークの一件が終わってから森の様子が変わっていつも通りに戻っていたそうです」
「え?」
それって森の異常はオークが原因だったってことなの? ……仮にそうだとしても私がこの街に来たときからその異常があったような気がするから元の状態がわからないけどオークによって逃げて来たゴブリンがこの辺りに沢山いたということなのかな?
「オークの影響によって森の様子がおかしかったみたいですがオークがどのようにしてこの辺りまでやって来て影響を与えたのかはわかりません。ですが街周辺の森の異常に関してはこれで終わりだと思われます」
「でも、オークがこっちにやって来たことによってたくさんのゴブリンがこの辺りにいたということはやっぱり森にも何らかの異常があったのでは?」
「その可能性はあるかもしれません。ですがこの街周辺について調査を行って異常が無いことは確認しました。ですからいつも通り狩りする分には問題ないと思いますが森の奥にはあまり行かないようにしてください。とは言っても泊りがけで行くような場所なのでほとんど心配はないと思いますが……」
「でも、それって森の奥の方に問題があるのでは?」
「そうなります。ですからDランク以上の方に調査依頼を出してあるのでその結果次第になります。ですがこの近辺はほぼいつも通りになると思います」
なるほど。街周辺についてはこの問題は収まったということみたい。でも、森の奥の方に何かあるかもしれないから調査と言う形になったのかな?
そんなことを思いながらエレナさんとしばらくお話をしてから持っていた依頼のお願いをした。その時に渡したギルドカードはEランクとなって戻って来た。受け取ったときは少し驚いていたユアだったけどとても嬉しそうにしていた。それからエレナさんと別れてギルドをあとにした。
次からはユア視点の話になります。最初の方はユアの過去編そのあとは2章のユア視点での話になります。本編を読みたい方は飛ばしていただいても問題はないと思います。(多分(^^;))
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