126.エレナさんとのお話2
「それで、エレナさんのお話はこれでおしまいですか?」
「あと2つほどあります。……まずは彼女のパーティの事です」
そう言ってエレナさんはユアを見た。ユアは自分のパーティのことで話があると言われて少し身構えているように見える。
私は何の話をするのかな? と思ってエレナさんを見ると彼女は私達に視線を配ってから話し始めた。
「今回のことでユアさんのパーティを解散することになります。まぁ、仮に彼等が生きていたとしてもユアさんがパーティから離脱することは決まっていたことですが……」
「え? どういうこと?」
ユアは不思議そうにエレナさんに聞いていた。
私はこの前エミリアさんからそのような話を聞いていたがユアは今初めて知ったみたいだ。
「この前の騒ぎがあってあなたのパーティは処罰の対象になっていました。それもギルドの中でしかも大勢の人が見ていたのとギルドマスターが現場に居合わせたこともあってユアさんがパーティから離脱することが決まっていました。まぁ、もともとパーティ内でいじめられているみたいだったからちょうどよかったけど今回の出来事でパーティメンバーが亡くなったもしくは重症になってそれどころではなくなりましたが……」
「そんなことがあったの」
と言ってユアが私の方を見てきたのでそっと視線を外した。
「レーナちゃん1人でそんな危ない事をしていたの?」
「それは、その、ギルドに少し用事があって行ったら彼等がギルドの奥から出て来てたまたま鉢合わせしただけで不可抗力だよ」
そういいながらチラッとユアを窺うと心配そうにこちらを見ていた。
「それでも危ないことはしないで」
「危ないことはしていないよ。それに彼等程度なら私1人でもなんとかなるから問題ないよ? それに冒険者なんだから多少の危険はつきものだし」
冒険者しているからそれくらいの覚悟は一応ある。危ないことは……ちょいちょいあったような気がしなくもないけどこの世界に安全な場所があるのかと聞かれたらあるとは少し言い難いしね?
「そうかもしれないけど……」
「それにもう済んだことだし」
「……」
そう言うとユアは少し不満そうにしていたけど何も言わなかった。
「……続きの話をしてもいいかな?」
「あ、すいません」
「ご、ごめんなさい」
ユアとの話をしていて、エレナさんが話をしている途中ということをすっかり忘れていた。エレナさんは私達の話が終わるまで待っていてくれたみたいで申し訳ない。
「気になさらなくても大丈夫ですよ?」
といいながら微笑ましそうに私達を見ていた。私はそんなエレナさんの様子を見て不思議に思った。何か喜ばしいことでもあったのかな? そんな考えはエレナさんが話を始めたことによってすぐに霧散した。
 




