120.武器屋さんへ
昼食はいつも通りラナさんのお任せをお願いしてユアに気付かれないようにお金を払った。それから昼食を食べながらこれからの予定を決めた。
ユアは孤児院に戻るという事なのでここでお別れだけど、明日ギルドでまた会う約束をした。まぁ、ユアのパーティは実質なくなったようなものなので一緒に依頼をする約束だけど……。
そういうことで午後からはすることがない。何か用事はないかな? と考えた時、オークを倒していたときユアが私の刀が白く輝いていたと言っていたことを思い出した。武器が白く輝いていたのだから武器屋のエギルさんとかに聞いたら分かるかもしれない。そう思って武器屋に行こうと思った。それと例の刀が買えるお金があることに気が付いたためそれも買いに行こうと思った。
そうして昼食を食べ終えてからユアと別れると私はエギルさんの店へと向かった。
エギルさんのお店に着くと早速、声を掛ける。
「エギルさん、いますか?」
そう声を掛けてしばらくすると奥からエギルさんが出てきた。
「嬢ちゃんか、どうした?」
「ちょっと気になることがあって……この刀見ていただけませんか?」
そう言って刀を差し出すとエギルさんは少し不思議そうにしながらその刀を受け取り抜いた。
「(!?)」
すると少し驚いたような表情をした。何かに気が付いたみたい。それからじっくりとその刀を見たかと思ったらこんなことを聞いた。
「これはどうした?」
「え~と、魔物を倒している時になんか『刀身が白く輝いていた』と一緒にいた子に言われてどうしてかな? と思ってここに来ました」
そう言うとエギルさんの眉が僅かに動いた。 何か気になる事でもあったのかな?
「……嬢ちゃんは魔法とか使えるのか?」
「え? 一応……」
どうしてそんなことを聞いて来たのかな? と思ったけど先ほどの話から魔力が関係して起こったことかな?
「……鉄の一部が魔鉄に変化している」
「まてつ?」
「ああ、魔力を含んだ鉄のことだ。ただの鉄で打ったはずだが魔鉄に変化するのは普通はありえん……。ただ、莫大な魔力を流せば魔鉄に変わるかもしれない。そんな話を昔、聞いたことがあったのを思い出したのだが……」
「な、なるほど」
仮にそうだとして戦闘中にたくさんの魔力を流したとしたら気が付くような? と思うけどどうなのかな? 魔力を操った感じはしなかったから……。もしかしたら無意識と言うのもあるかもしれないけど私にそこまでたくさんの魔力があるとは思えないけど? とそんなことを不思議に思っていた。




