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異世界最強のレベル1  作者: 銀狐
プロローグ
2/55

2

 手紙を開くと、ゲームのウィンドウには【承認】と【拒否】に2択がでてきた。

 先に他のギルドを全部拒否にして最後に黒狼の牙(ダークウルフファング)だけを承認した。

 すると、俺たちは待機部屋へとワープされた。

 本当は全員承諾状態じゃないと移動しないけど、こっちと対戦相手全員が承諾していたため早かった。


「ルールはデスマッチ。リングの上から落ちないように戦うシンプルルールみたい」

「なーんだ。これじゃあ僕たちのほうが有利じゃん」

「そうね。これでは敵にならないわ」

「まあまあ。せっかくだし楽しもうよ」


 今いる部屋は待機部屋と呼ばれる戦闘準備室。

 本来なら武器やアイテムをセットしたり作戦を練ったりする場所。

 しかし、俺たちは何もしない。

 なぜそこまで余裕なのか。

 それは見ればわかる。


「カウントダウン始ったよ!」

「5、4、3、2、1……0!」


 カウントダウンが終わるとリングへワープされた。

 俺たちは3人。

 向こうはデスマッチルール参加人数上限の100人までいた。

 見たところ、あちこちにプレイヤーランキングで見た顔がある。

 惜しくも個人の世界大会のランキングに載らなかった者たちだ。

 普通に考えたらこの人数(3人)相手にそのガチ編成、めちゃくちゃ本気(マジ)じゃん。


 敵は俺たちを確認すると、数で押そうとみんなで襲いかかってきた。


「「「「「うおおおおおお!!!」」」」」

「すこし数を削りましょうか。神の雷墜(ゴッドサンダー)


 多くの悲鳴とともに半数ぐらい倒れた。

 戦闘不能になると別の場所へ自動でワープされる。

 リングから落ちたと同じ扱いで戦闘不能は負けとなる。


「やっぱり耐性を持っている人が多いわ」

「じゃあ次は僕が行くよ!霊槍クリスタルフレイム、やあああ!」

「ぐあっ!」「ぐはっ!」「がはっ!」


 ザクザクと敵を切り捨てていく。

 だが全員とまではいかず、一人の男が防いだ。


「うおおお!岩の拳(フィスト・インパクト)!」

「おりょ?」


 メルの槍は見事に砕かれた。


「ふははは!これで攻撃はできまい!!」

「ありゃりゃ、やっぱりクリスタルじゃ脆いから無理だよね」

「何をぶつぶつといっているんだ?」

「モード!ファイヤーフレイム!えいっ!」

「なっ!?あちゃああああ!!」


 うわあ、えっぐ。

 槍で刺しただけではなく、燃やした。

 燃えた奴以外もドンドン倒していく。

 残り数人とまで減らされた。


「おいおい、俺まだ何もやっていないんだけど」

「あっ、ごめんねー!」

「じゃあ最後は譲るわ。これでいい?」

「それならいいぜ!じゃあビシッと決めるか!」


 俺は残りの敵の前へと歩を進めた。

 さっきの二人のせいで完全に怯えている。

 もう戦意喪失かよ、そっちから挑んできたのに。


「ん?みんな、落ち込むのはまだ早い!あいつのステータスをみろ!」

「なっ!Lv.1だと!?」

「雑魚中の雑魚じゃないか!!」


 今のようにステータスを人に見せることができる。

 ただし本人が許可しない限り全体公開はされない。

 俺はあえて常に見えるようにしてある。


「みんなかかれー!!」

「「「「「うおおおお!!!」」」」」


 はあ、やっぱりステータスを見たらこんな反応か。

 動きも所詮ランキング外、俺たちにとっては雑魚と変わらない。

 みんな油断している。


「ぐはっ!」


 俺は襲いかかってきた一人を殴った。

 それと同時に戦闘不能になり消えた。


「どういうことだ!Lv.1のやつがなぜ即死攻撃を!」

「これ知ってるだろう?」

「それは呪われし死神のネックレス。なぜそんなゴミアイテムを……!」


 そう、世間一般的にはゴミアイテム。

 付けると即死攻撃ができる代わりにLv.1になり、ステータスは初期値に。

 序盤はよくても、だんだん当てるどころか近寄ることすら困難になる。

 今の俺の状況は初期装備でラスボス戦ってところだ。


「遠距離から攻撃しろ!そうすれば近寄れないはずだ!」

火炎弾(ファイアー)!」「氷の槍(アイスランス)!」「電撃(ライトニング)!」


 数々の魔法が一斉に俺へと飛んできた。

 ……遅すぎる。


「がはっ!」「なはっ!」「ぐわっ!」

「ど、どうしてだ……どうしてLv.1がこんなに速いんだ!!」

「いや、ただ単に慣れただけ」

「そんな馬鹿な話があってたまるかああああ!!」


 最後の一人は叫んだ。

 叫びとともに姿を消した。

 同時に勝利コールが鳴った。

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