(7) ケンカをした
セスレイが帰ってきたのとほぼ同時にチャイムが鳴った。
そういえばこのチャイム、休み時間が始まる時にも流れてた。きっと休み時間と授業の切り替え時間を知らせるものなのだろう。
「はい、じゃあ早速授業するわよ!って言いたいところなんだけど、この学校ちょっと広いから今から説明しに行きます。」
「セスレイ先生、質問失礼しますわ。」
ルーナが右手をピシッと挙げて質問する許可を得ようとしていた。
許可を得なくても質問すればいいのに。そう思ったがなんとなく言ってはいけない気がしたから言わない。
フィランも微妙な顔をしていた
「質問ならそんなまどろっこしい聞き方しないでサクッと聞けばよくないッスか?」
あ、馬鹿だ
恐る恐るルーナの方を見ると笑顔を浮かべながら怒っていた
「お言葉ですがトトさん、これが私のやり方、正義です。それを貴女にどうこう言われたくありませんわ。そもそもさっきから何ですの?そのッスという品がない言葉は。否定はしませんが創られた環境はどうなってますの?」
「はぁ?なんスかその言い方!ルーナだってさっきから語尾だけ丁寧にしてるッスけど、それだけじゃ品があるなんて言えないと思うッスよ?~ますの?~ですわって頭良いアピールッスか?出来る女アピールッスか?大変ッスね~お・じょ・う・さ・ま」
「はぁ、これだから低知能のアンドロイドは。貴女の知能パッチ、新しい物に交換してはいかが?特別に腕のいい製作者を教えて差し上げますわ」
「新しい物=良いものって発想、残念ッスねぇ。そっちこそお硬いことしか考えない知能パッチ、もっと柔軟な思考を持ったパッチに換えるべきじゃないッスか?いい腕の製作者が自分らの知り合いにいるんスよ」
「...どうやら言葉じゃ分からないようですわね」
「なんスか?やるッスか?」
今まで黙って聞いてた私とフィランだけど、これはちょっとやばいかも。
「はいはい、そこまでよ」
フィランと目を合わせ、二人を止めようと席を立とうとしたがその前にセスレイが二人の間に割って入った。
「何ですの?まだ決着は着いていませんわ」
「そうッス!勝っても負けても恨みっこ無しの真剣勝負ッス、邪魔しないでッス!」
「あなた達、言う事を聞きなさい!」
その瞬間、ゴン、という音が二人の頭から聞こえた。
ご愁傷様、と心の中で言いながら席に座り直す。と同時にあの先生を敵に回しちゃダメだな、と思った。
今まで予約投稿だったのですが、新生活に向けての準備により予約投稿はやめます。今日は二話ですが毎日一話ずつを目標に頑張りますのでよろしくお願いします。