(4) 楽しいクラス
「セスレイ、よろしく」
「先生なんだけど...とりあえず席に座っといて」
「分かった」
先程言われた席に着く。机の数は私を入れて4つ。どんな人がクラスメイトになるのか、ちょっと楽しみだ。
「アルダさん」
そんな事を考えていたらセスレイが話し掛けてきた。
「何?」
「貴女の製作者ってなんて言う方?」
「シダラって言う。弟子はカルマシャ」
「そう...あの人なのね。気を付けてね、シダラさんは...」
ウィン
ちょうどその時、教室の自動ドアが開いた。
「はじめまして、私ルーナと申します。よろしくお願いしますわ」
「はじめまして、私はセスレイ。このクラスの担任よ」
「私はアルダ」
「セスレイ先生にアルダさんですわね、覚えましたわ。」
「貴女の席はアルダさんの横よ」
「ありがとうございます」
ルーナと名乗った人はセスレイに一礼して私の隣の席に座った。
「こんにちは、アルダさん。私の事はルーナとでも呼んでください」
「ルーナ、分かった」
「ふふっ」
「どうしたの?」
「いえ、私同じ時期に創られたアンドロイドの方とお会いするのは始めてでして、嬉しくて、気に触ったようでしたら申し訳ないですわ」
そう言って彼女はこっちに手を伸ばしてきたからその手のひらに自分の手のひらを重ねる。
「私も、同時期のアンドロイドは始めて。嬉しい」
「ありがとうございます、改めてよろしくお願いしますわ」
「うん、私もよろしく」
挨拶を終えて離れてしまった手はとても温かかった。
それから10分
「それにしても二人は遅いわねぇ」
「入学当日に5分も遅刻なんていい度胸をお持ちなのですね。」
セスレイはそこまでじゃないけど、ルーナはすごく低い声でそう言った。怒っているのだろう。
それから更に5分。
「っちはッス!自分、トトって言うッス!よろしくッス!」
「おい、トト!先に謝罪だろ!お前が寝坊なんてしなけりゃ、遅れなかったんだぞ!」
「はっ!そうッスね!皆さん、大変申し訳ないことでございましたッス!今後、このような事はしないので許してはくれないでしょうか」
トトと呼ばれた子は土下座をしながら全力で謝ってきた。
「あたしからも謝らせてくれ。本当に申し訳ない、あたしがもっとしっかりしてれば」
この人は腰を45度に曲げ、謝ってきた。
「はぁ、本当に反省してるのであらば今回は許しますが二度目はないと思ってくださいまし。」
いつの間にか彼女たちの近くにいたルーナは呆れ顔で二人を許す。
「感謝ッス!」
「ありがとな、えっと」
「ルーナですわ」
「ありがとな、ルーナ」
「はい、無事に解決したっぽいから席について、トトさんはルーナさんの前、その横がフィランさんね」
その声でそれぞれが席に着く。
「改めて皆さん、アンドロイド強化第一校、シャンダル女学園へようこそ!5年間、よろしくね」
ちょっとした騒ぎはあったけど私たちは無事にここ、シャンダル女学園へ入学できた。