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襲撃者Ⅳ

 それはメラメラと燃え上がる球体。何を原理で飛んで来ているのかが理解できないそれは、一直線に亮人の顔へと飛んでくる。ただ、その炎の球体は普通とは違っていた。


「――っ! 何で青いのっ!」


 そう、燃えている球体は全体が青い。それも純度の高い青色。普通の火力なんかよりも何十倍と熱を持った炎が亮人の元へと飛んで来ていたのだ。


『お姉ちゃんっ!』


『分かってるわよっ!』


 シャーリーは亮人へと飛びつき、氷華は亮人と炎の間に分厚い氷壁を作ることに全力を注ぎ込む。まだ朝七時といった朝に亮人の家へと攻撃を放った張本人は氷壁があって窺うことが出来ないが、ただそいつが四足歩行をしていたというところは見えた。


『(噂をすればなんとやらとはよく言ったけど……本当に来るのは厄介ね……)』


 この状況での第一声を聞いた氷華はすぐにシャーリーを追っていた妖魔だっていうことは理解できた。ただ、もう様が無くなったという言葉の意味だけが理解できない。

 だが、今は全力で亮人を守ることに尽力を尽くす。

 飛んできたのが一つだけだったから今のはなんとか防げた。が、今のが何発と飛んで来るようだったら、流石の氷華でもキツイ。

 そして、亮人と礼火を背中に乗せて外を全力で走っているシャーリーは息を切らしながら『ごめんなさい』と何度も言って、なんだか遣る瀬無い(やるせない)。


「氷華を置いて来ちゃったけど大丈夫なのっ!?」


 こんな状況には当たり前の反応を見せる礼火と言えば、その顔は蒼白ではなく真っ赤に染め上がり怒っているようにも見える。ただ、そんな彼女の瞳を見た亮人は彼女が氷華のことを心配していることが分かって、心苦しくなる。


『ごめんね、シャーリーのせいでこんなことになっちゃって……シャーリーがあいつらを連れてきちゃったみたいだから……』


 亮人と礼火の二人を背負っていると言うのに、普通車よりも速い速度を出しているシャーリーは近くの山へと駆け登って行く。


『ここなら……少しぐらい、なら時間を稼げるかな……』


 息をするのも辛そうなシャーリーは呼吸を整える為に少しだけ亮人達の周りを歩き、そして呼吸を整えようとする。


「シャーリー……さっきのがなんなのか、教えてくれるか?」


 呼吸を正常に戻したシャーリーに亮人は真剣な眼差しで見つめた。その表情はこれまでのような優しい物ではなく、険しい表情だ。

 それは怒っているようで、そうは見えない表情。ただ、そんな表情を浮かべていた亮人はこれからの事を考えようとしていた。

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