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元令嬢は現代へ 共通①


私は生まれたときからすべてにおいて恵まれていた。


家柄に容姿で周りの凡人の妬みを買いつつも、貴族の令嬢に必要な基礎知識に作法も完璧にこなしてきたのだが――


『おそれながらお父様、隣国ならまだしもこのような遠方に位置し戦の気配も見えぬ小国、私が嫁いでも意味ぐあるとも思えませんわ』


例えば敵対する国の戦いを沈める為や隣国との仲を強固にする政略結婚なら客観的に見ても自分も納得できる。


『そう言われてもな、お忍びで酒場に行った際についつい口約束した相手が国王だったのだからしかたがないではないか』


対等な国の王妃にこそ相応しい私は17の誕生日に小国の王子と婚約させられてしまった。


「私は大国の王姪なのよ!半端な男など嫌よ、完璧でないなら……ここで死ぬほうがマシだわ」


何事にも納得できる理由が必要だと思う。

受け入れるかは別として、酒場の口約束など‘意味’が無さすぎて理解できない。

果物用のナイフを首に刺そうと勢いをつける。


「それでは死ねぬぞ」


長い耳をした男がナイフを素手でつかんで、私の耳に囁いた。


「……その耳に牙、お前は魔族ね!?」

「ああ」


長く黒い髪はダークエルフと呼ばれる妖精と似ているが、彼等は褐色肌らしいので違うかもしれない。


「私は鍛えてるから脂肪が少なくてたぶん腹の肥えた父より美味しくないわよ!!」

「魔族相手に小さな刃で立ち向かうとは、勇ましい小娘だな」


男は手の血を舐めて私に攻撃するでもなく静観している。


「殺るなら一思いにやりなさい!」

「ふ……せっかく助けたのにすぐ殺しては‘意味’がないだろう?」


――確かに、一応は奴が私の自害を止めた。


「」

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