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漆黒の大樹 その1

データ消失事件から何とか立ち直りました。 久しぶりの更新ですが楽しんでいただけると幸いです。

「うわー……でっけぇなー……」


目の前の真っ黒な大樹、意識しないままに呟いてしまっていた。

「リオン、口が開きっぱなしだ」


カインに指摘され慌てて口を閉じる。 きっとなかなかみっともない顔を晒していたことだろう。

「とは言っても、そうなるのも無理はないだろうな」


そう言ってカインは空を、空を覆い尽くす大樹の幹を見つめる。


「ここに、魔王が封印されてるのか……」

「全く信じられねーよなー。 俺たちが物語の中でしか知らない魔王が、この木の中に封印されてるなんて」

それからしばらく二人ともただ無言で樹を見つめ続ける。


勇者とその二人の仲間達が、命を賭して魔王を封印した大樹。

封印の際、少なくとも勇者と封印を施した術士は命を落としたそうだ。

残る1人は消息不明。 戦いの後に瀕死の状態で倒れていたところを救助されたらしいが翌日に失踪。 傷の深さから考えて死んだものと思われている。

その三人は何を考えて魔王に挑んだのだろう。 封印されてもなお、この大樹を黒く染め尽くしてしまうような圧倒的な力を持つ相手に対して。


「――ン……――オン……!」


彼等はどうして、命を賭すことができたのだろう。 立ち向かうにはあまりにも絶望的な力を持つ相手を前にして――


「リオン!」


大きな声に唐突に思考が途切れる。


「お前どうしたんだよ……ハッ! もしかして魔王の魔力が……」


声がした方向を見るとカインが訳がわからないことを言いながらアタフタしていた。


「いや、ちょっと考え事してただけだ。 っていうか顔近い」


カインの顔はお互いの息で髪が揺れるほど目前にあった。 ハーブで口臭ケアしといてよかった。


「あ、あぁ、ゴメン」

「いいから謝る前に離れろ」


肩をがっちりと掴まれている。そろそろ周囲の視線が痛いぞ。


「いや、でも様子がおかしいから……」

「うるせぇさっさと離れろ」

「グハッ!」


なんかカインが鬱陶しいので腹を殴ってのたうちまわってる隙に離れる。


「なんなんだお前。 何だ? そっちの気があるのか? オレに惚れてんのか?」

「んなわけっ……ない……だろっ……」


どうやらオレの突きは予想よりもいい場所に入ったらしく否定の言葉は途切れ途切れだった。


「ん? あっちの方なんか人が集まってるな。 行こうぜカイン!」

「いや……ちょっ……まって……」


カインが何か呻いているが気にしない。 オレは人だかりの方に歩いていく。 もっとも目的地に着く頃にはカインは復活し走ってオレに追いついていたのだが。

ここまでお読みくださりありがとうございました。 全話通しての事なのですが文章量に対して場転が多すぎる気がするので修正していきたいところです。

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