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白い暗殺者〜番外編〜

作者: い〜ちゃん

今は8月。

夏休みの真っ只中である。

風牙と香澄が中3の時……つまり2人が黒征学園に入る1年前の話である。

この夏には風牙には彼女がいてその彼女に振られるエピソードを皆さんに教えましょう。

風牙はせっかくの夏休みなのに彼女である寺嶋夏実と全く遊ぼうとせずに自由な休みを過ごしていた。

夏実は何回デートにさそっても断り続ける風牙に痺を切らして電話をかけた。

「もしもし!?風牙くん!?」

「あ〜夏実か??今日は……。」

「今日こそデートしてもらいます!!」

「今日は……用事があったり……。」

「どんな用事!?宿題とお墓参りと学校の呼び出しと前々から入ってた友達との約束って言い訳はもう言ったわよ。」

「うっ……!!」

って事で風牙はとうとう根負けしてデートをする事になった。

「夏実はすぐベタベタくっついてくるからなぁ。このクソ暑いのにそれが嫌で断ってたのに。」

ちなみに風牙の部屋の冷房器具は只今故障中。

「しかもあいつの事だから今日は泊まって行くとか言うんだろうな……。」

独り言を言いながら風牙は部屋を片付ける。

「キスしたら満足して帰るかな??」

そう言って風牙はベットに寝転がった。






「……い。ふ…が。」

風牙は快適な睡眠から現実に引き戻される思いを感じた。

「風牙!!そろそろ起きてよ!!」

「もう……ちょっと……。」

「こら!!寝るな!!」

風牙は自分を強く揺すっている手を掴んでベットに引き込んだ。

「え!?ちょ、ふ、風牙!?なにす……!!」

反抗をする声を封じるために風牙はキスをした。

始めは抵抗しようとしていたが風牙が抱き寄せるとおとなしくなった。

「バンッ!!!」

とドアが強く開けられる音がする。

風牙が唇を離して振り向く。

「おい!!勝手にドアを……」

親だと思って話しかけた風牙の目に飛込んだのは夏実だった。「え……と……。」

意味がわからない風牙は自分の腕にある柔らかい感触の元を見る。

そこには顔を真っ赤にした香澄がいた。

「……何してんの??風牙くん??」

夏実はまだ穏やかに話しかける。

「あ、これは!!起こされたから夏実だと思って、うるさいからキスし……。」

「言い訳しないで!!」

風牙は口をパクパクさせる。

「やっぱり浮気してたの??ふ〜ん。柊さんだっけ??幼馴染みだよね。」

「あ……これはじ、事故で……。」

香澄も弁解をしようとする。

「何??あんたも共犯!?抱き合ってキスしてたくせに。」

香澄にも怒りを向ける夏実。

「あんた風牙くんに私がいるの知ってるでしょ!?あなたが風牙くんの事好きなのは構わないけど風牙くんを誘惑しないで!!」

「なっ!!す、好きな訳ないでしょ!!」

「じゃぁ何でキスしてたのよ!?」

「だから事故で……!!」

「言い訳するな!!泥棒!!」

言い争いが始まってしまった。「これが修羅場かぁ。人生初だなぁ。」

風牙は呑気に独り言をつぶやく。

「だいたい、私に文句言わないでよ!!デートもしてもらえないくせに!!」

「う、うるさい!!ただの幼馴染みなのにでしゃばらないで!!」

「私に文句言うな!!」

やっと責任を感じたのか風牙が止めに入った。

「おい、もうやめと……」

「「あんたは黙ってて!!」」

あえなく粉砕。

かなり立場の弱い風牙であった。

それから数分間、香澄と夏実は言い争いを続け、今度こそ止めようと風牙が近付いた。

「俺が悪かったから。もう言い争いやめろよ。」

そう言って二人の肩に手を置く。

「パァン!!」

といい音が鳴り響いた。

夏実が風牙の頬を叩いたのだ。

「うるさい!!あんたといたら疲れる!!もう別れて!!」

「……。」

反応しない風牙を睨み付け、夏実は部屋を出ていった。

「追い掛けなさいよ。」

香澄が風牙を見ずに言う。

「追い掛けても無駄だろうな。完璧に嫌われたみたいだし。」

「どうせあんま好きじゃなかったんでしょ??」

「そんな事ねぇよ。大恋愛ではなかったけどな。」

珍しくテンション低めの風牙。

まだ怒りが治まってない香澄。

気まずい空気が流れる。

「あんたが悪いのよ。ほったらかしにするから。」

「今回は少なからずお前にも責任があるだろ。」

「ないわよ。私のファーストキス奪ったんだからそれくらいの代償は当然です。」

「失恋の慰めに今度は香澄からしてくれよ。」

「絶対嫌!!」





と、まぁ今ではいい感じの二人ではあるが昔はこう言った感じだったのでした。


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