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恋泥棒

作者: かぐや

読みにくいところ・誤字が多々あると思われます。

広い心で読んで頂けると幸いです。

貴方は誰?


【恋泥棒です】


これが貴方と私の初めての出会い。



私の家はどちらかというとお金持ち。

だから泥棒だってたまに見るからそんなに驚かない。

だけど、貴方という泥棒は初めてみた。


退屈な日々よ、さようなら。



あの日から貴方は毎日夜の10時に、私の心を盗んでいく。

「まだ盗まれてない。」

泥棒は盗んだら、次の所に行ってしまう。

だから私は毎日嘘をついている。

反対に貴方の心を盗む為に。


「ねえ、貴方名前は?」

私が2番目に貴方に行った言葉。

咲月(さつき)。女みたいな名前だろ?あんたは?」

朔麻さくま。男の子みたい…というより男の子の名前でしょ?」

男が欲しかった父が付けた名前。

なんでこんな名前をと思う時期もあったが、今はもうどうでもいい。


「じゃ名前かえよっか。」

「え?」

「だから俺が朔麻。あんたが咲月。」


今日から私の名前は道明寺 咲月

この事を知っているのは、私と貴方。


「朔麻は貴方はどうしてここへ来るの?」

「咲月に会うために。」

「私に会うまではなにをしていたの?」


私がそう言うと貴方は困った顔をする。

だから私はこの話はしないって決めたの。


貴方がどんな人でも、変わらないものがあるから。


いつもの日だった。

学校へ車でいつものように送ってもらい、いつものように授業が始まるはずだった。


「転校生だ。」

そう言われて紹介されたのは…貴方だった。


「麻生咲月です。」

貴方の名前、久し振りにちゃんと聞いた気がする。


「席は道明寺、お前の隣だ。」

貴方学生だったんだ。

しかも同い年。

初めて知ったよ。貴方の秘密。


「よろしく、咲月。」

「よろしく、朔麻。」


今日から学校でも貴方に盗まれる。

そして、私も盗む。


いつものつまらない日常も、貴方がいるだけで色付く。


「一緒に帰らない?」

貴方からその言葉がかかるのを、私は待っていた。

「一緒に帰りましょ、咲月。」

「…朔麻じゃないの咲月?」

そう言って2人で笑った。

朔麻が咲月で、咲月が朔麻。

これからはこんな日常が当たり前のようにやってくる。


「今日は夜も来る?」

「行くよ。盗みに。」

ここで私はいつも聞けなかった事を聞いてみた。


「貴方はなにを盗みに来ているんの?」

「…知りたいの?」

そう言った貴方が、いつもと違って怖かった。

「知りたくない。」

自分でも気付かないうちに私はそう言っていた。

だって、聞いたら貴方が離れて行く気がしたから…


「盗むというより与えるかな?」

「え?」

貴方は困った顔をした。

「なんて言うんだろう。与えて盗む、かな?」

「それじゃ、意味がないじゃない。」

「いいんだよそれで。それにちょっと違うからね。」

おかしな事を言う人だと思った。だけど…

「貴方は私になにを与えてくれるの?」


「朔麻様。こちらにいらっしゃいましたか。帰りますよ。」

せっかくいい所だったのに。

「…はい。」


「また今宵。」

貴方の横を通った時、聞こえた言葉。

これだけで私は気分を直してしまう。



「こんばんは、咲月。」

「こんばんは、朔麻。」

昼間学校であったというのに、貴方とはいくら会っても足りない。


「今日、言っていたでしょ。…なにをくれるのかって。」

「言ったわ。」

「答えてもいい。君が知りたければ。」

「教えて朔麻。」


「僕があげるのは、君の自由。そして……」



       *



貴女は忘れたかもしれないけど、それが生きる支えになっていた。


あれはそう…

家族がなくなった時だった。


「私が家族になあってあげる。」

1人で公園のベンチに座っていた時、貴女はいきなりそう言った。


「私も家族…」

貴女がそう言うから同じかと思った。

「いるんだけどね、いないのと同じなんだよ。だって…」

そう言って下を向いてしまった。

「だから、2人で家族になろ?」

おかしな事を言う子だと思ったけど、僕はその言葉がとても嬉しかった。


「また明日。」

そう言って貴女と別れた。

次の日も会える。

それが支えだった。


だけど次はなかった。貴女は来なかったのだ。

「嘘つき。なにが家族だ。」

1度しか会わなかった貴女だけど、心にしっかりと住みついていた。


あれから8年が経って僕らは18になった。

そして、僕は貴女を見つけた。

「私も家族…」

そして、その時貴女が言った言葉の意味がわかった。

跡取り。

そのためだけに自由を奪われていた。


僕は家族を助ける事にした。

そして、

「貴女は誰?」

「恋泥棒です。」


僕と貴女の駆け引きが始まった。

なぜこの時、恋泥棒と言ってしまったかはわからない。

なんとなくだった。

それか、貴女に盗まれた恋心を取り戻すためか。

それとも、貴女の恋心を盗むためか。


どっちにしろ、僕が初めから負けている事には変わりはないけど。


そして僕は今日…



       *



あれから何年かが経った。

いまだに僕らは互いの心を盗み合っている。


初めての投稿です。

昔書いたものを訂正して投稿してみました。

長かったものをかなり短縮しました。


そのせいもあってか背景とかその他もろもろおかしい…


これから読める文章にしていきたいです。

よろしくお願いしますm(_ _)m


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