2討伐
「データは取れた。あとは仕留めるだけだ。」
博士はそう言った。
どうやらあの黒い物体は衝撃を与えるだけで蒸発できるらしい。
でもおかしい。私達の拳銃はまるで効かなかったはずだ。
博士は続けて言う。
「黒い物体は衝撃に適応する。もう拳銃は効かないだろう。そこでだ。」
博士は何やら少しニヤけた様子で、部下に合図を出した。
部下はスクリーンを映し出す。
「これは…」
私は一瞬そのスクリーンに映っているものが何なのか分からなかった。が、まさか、そんな規模の大きいものを使うとは思いもよらなかった。
「核を使う。」
核爆弾。徐々に衝撃に適応してしまうのなら、一気にもの凄い規模の衝撃を与えて仕舞えば良いという作戦だという。
私達軍隊は仮拠点を回収する。黒い物体は今にも動き出しそうなほど禍々しいオーラを発しているが、しかし同時に、動く気配は一切しない。
帰還中、後方から何かが蠢くような音が聞こえた気がしたが、私達軍隊は振り向かずにその場を後にした。
無人爆撃。
本拠地から無線を通じて戦闘機から投下する。
黒い物体が動いているのを確認した。
特に移動はせず、その場で形を変えている。
「爆撃ポイントまで!5!4!3!2!1!」
私は興奮混じりで、それでも冷静にはっきりと言った。
「投下!」
黒い物体の真上に核が落とされる。
一間の静けさ、キノコ雲を確認した後、空気をも圧倒する爆発音が辺りを巻き込んだ。
「黒い物体の消滅を確認!撃破完了しました!」
私の同期もまた、興奮混じりで、そして冷静に応えた。
私達は歓声を上げた。
博士は相変わらず無表情のままだが、歓声に紛れて、よくやった、と言った。
博士は合図を出す。切り替えの合図だ。
「次は現地の確認だ。もしも消滅しきれていない場合、増殖する前に隔離しなければならないからな。」
私達は切り替え、次のステップへ移った。




