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剣に選ばれない俺だけが、剣の支配を断ち切れる ――落ちこぼれ剣士と“名剣”の世界――

剣に選ばれなければ、剣士としての価値はない。
それが、この世界の常識だった。

剣士育成機関に所属する少年は、どの剣にも適合できず、「剣才ゼロ」の烙印を押された落ちこぼれだった。
剣に宿る力――剣性に選ばれた者だけが英雄となり、栄誉を得る世界で、彼は誰からも期待されず、孤立していく。
それでも少年は剣士であることを諦められなかった。
皆に認められたい。一人になりたくない。ただ、その想いだけで剣を握り続けていた。

そんな彼には、ひとつだけ異質な力があった。
それは、剣に選ばれる才能ではない。
剣に宿る意志を視認し、そして――拒絶できる能力。

本来、剣は人を選び、支配する。
村正、エクスカリバー、名を残した剣ほど強い意志を持ち、使い手を英雄にも怪物にも変えてきた。
少年は、その“剣の支配”を受け付けない唯一の存在だった。

一方、彼の前には完璧な剣士が立ちはだかる。
名門の家柄、卓越した剣才、剣に愛される天才。
誰からも認められ、少年が想いを寄せる少女の心も掴んでいる存在――彼のライバルだ。
剣に選ばれることこそが価値だと信じる天才剣士と、剣に選ばれない落ちこぼれ。
二人の差は、あまりにも残酷だった。

任務と試験を重ねる中で、少年は名剣たちと出会っていく。
剣に振り回され、飲み込まれ、壊れていく剣士たち。
剣に選ばれたはずの者ほど、自由を失っていく現実。
やがて彼は、この世界が「剣に支配された世界」であることを知る。

剣に従えば、認められる。
剣に逆らえば、孤独になる。

それでも少年は選ぶ。
たとえ誰にも選ばれなくても、
たとえ一人になっても――
剣に従わないという選択を。

これは、剣に選ばれなかった少年が、
剣に選ばれる世界そのものを断ち切るまでの物語。
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