乳首当てゲーム
サクッと読めるかと思いますので、是非ご覧ください。
「あ”っひゃあぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
他人に触られる乳首というのは非常にくすぐったい。
とてもみっともない声を漏らしてしまうくらいにはくすぐったかった。
目の前の対戦相手は得意げに、そしてどこか恥じらいを感じながらゲッツのポーズで立っていて美人なのに間抜けに見えた。
「今のはちゃんと乳首に当たったってことよね!?」
わざわざ聞かなくてもわかるだろうが。
あれはちゃんと当たった時の声だ。
「当たってんなら私の勝ちね!このゲームはおしま...」
「ちょっと待て」
「な、なによ...?」
「別にゲームに勝ったからと言って即抜けしていいというルールはない。」
乳首当てゲームに勝ち逃げとかねえんだよ。
ふざんけんな。
駄目か~と誤魔化せなかったことを悔しがりつつ、心なしかどこか嬉しそうにしている。
気持ち悪いな。そんなに俺に乳首触ってほしいのか。
お望み通り一発で乳首を当てて触ってやる。
「じゃあ......ほら。気を付けの姿勢になって。」
「ちょっとこれ!!恥ずかしいんだけど!!!」
そんなん知るか。
俺だって恥ずかしかったわ。
一瞬相手の顔を見ると耳まで真っ赤にしている。
真っ赤なリンゴくらいは、マールボロくらいは、顔から火が出るとはまさにこの状態なのだろうと思った。
恥ずかしいのか、彼女は体を少しもぞもぞさせている。
「おい、これじゃあ俺がお前の乳首当てられないだろ。ジッとしてろ。」
「だってぇ...」
だってぇ...じゃない。
男が女性と乳首当てゲームをして乳首を当てるとか学生くらいでなきゃできないんだから、絶対に当てねばならないのだ。
俺は全神経を研ぎ澄ませ目をつむり、精神を落ち着かせ邪念を取り除く。
必ずこいつの乳首を当ててスケベな反応を見てやるんd......っと、邪念が消えてなかった。
落ち着け落ち着け、顔は見るな、指先と脳内透視シミュレーターで乳首の場所を特定することだけに意識しろ。
傲慢で高飛車で常識知らずな女ではあるが、おっぱいはデカくて顔とスタイルだけは良いおっぱいがデカい九条彩姫の乳首に触れられる絶好のチャンスなんだから。
普通に考えたら痴漢で公然わいせつなので一発で逮捕なのである。
だが今の俺は、年の近い女性と乳首当てゲームをしている。
服越しではあるが合法で同年代の女性の乳首に触れることなどのイベントは今まで一度も発生しなかった。
神様、本当にありがとうございます。
「ここだ!」
俺は人差し指を彼女の乳房の最先端だと思った場所をソッと突く。
反応がない。
思わず相手の顔を見ると、とても微妙で複雑で...
いや、眉間にしわが寄っているから怒りを感じているように見える。
何故だ。
「違う。」
そうキッパリと、期待外れにも程があると言わんばかりでそう言い放った。
「いや、ここじゃないのか?」
嘘だろ...俺の透視シミュレーターが計算ミスをしたというのか...?
「もっと...し……」
え?聞こえない。なんて言った?
「もっと下!!!!!」
「あんたが思っているより私のおっぱい垂れてんのよ!」
は?ブラジャーしているのにか...?と言った瞬間、パァァン!という音と共に視界と俺の顔が真横を向いた。
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しばらく時間が経つが一向に機嫌を直さない。
さっきから謝っているが全てガン無視で、ずっとスマホでインスタを見ているようだ。
インスタのストーリーには「デリカシーのない男はありえない」だとか「これだからアラサーなのに彼女いない」だとか書き込んでいる。
悪かったなアラサーなのに彼女の1人や2人いなくて。
「なあ、悪かったって。」
頑なに無視を続ける彩姫さんだが、俺は機嫌が直るかもしれない魔法の言葉を知っている。
だが極力は言いたくないので俺も頑なにそのカードを切りたくない。
「本当ごめんなさい、何でもしますから…」
切り札を使ってしまった。
するとさっきまでガン無視だった彼女が嘘のようにこちらを睨みながら
「なんでもするって言ったわね...?」
言いたかないがお前が機嫌治さないから言ったんだろうが。
これを言うと人として負けたような気にもなる上に、無茶ぶりなお願いをされるから大変困るのだ。
「それじゃあ、今度制服ディズニーするわよ!」
無茶ぶりというかこれは犯罪なんじゃないかと思う。
だが渋々了承するしかない。
残念ながら俺が彼女いないキモオタでセカンド童貞の冴えないアラサーだったとしても拒否権を行使して制服を着ないで済む方法など無いのだ。
何故なら九条彩姫と同棲しているから。
拒否権を行使すると彼女との生活が一気に地獄になり、例えるのであれば熟年離婚間近な夫婦である。
夫婦らしいことは、まだ一度もしたことはないがな!ガハハ!w
俺はうなだれながら、彼女はウキウキになりながら「アラサー同士で制服ディズニー」をする日を決めた。
最後までお読みいただきありがとうございました。
実はパッとアイディアが浮かんで1時間半ほどで執筆したものです。
案外面白かったので動画投稿の合間を縫って連載していこうとおもいます。
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