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幻想奇譚

春一番

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

幻想奇譚です。宜しければ。

先日は、窓から見る景色がとても愛らしかったです。粉砂糖を一杯に振りかけた街の光景は、ホールケーキを真上から見下ろしている様でした。そんな寒さを全て忘れさせるような、暖かな日差しが降り注いでいらっしゃいます。決めました。えぇ、本日参るところに。

私はしっとりとした小道を抜けて、石段の前に来ていました。真上に君臨するのは石鳥居。何時来ても、内側からは涼やかな心地好い風が流れております。

此方の主はお元気でしょうか……。如何せん、二週間ぶりの再開。しかし、階段を登り終えた後、其れは杞憂であると気付かされました。

境内を彩るとろりとした芳醇の香り。脳を優しく溺れさせるような酩酊感。飲酒を行った様な気分で社に目を向けると、素敵なものが目に入りました。

絹糸の様な細枝。束になって滴り落ちるその様は、女性の髪のようです。そして其れを彩る様に、小粒の蕾が飾られておりました。梅花の蕾。赤と言うには謙虚で、桃と言うには剛毅な色合い。鮮やかな紅赤。此処の主が『頬に塗りたい』と仰った事も頷けます。それ程に愛らしい。

視線を逸らすと、またも梅の花が。此方は昨日降り積もった雪の如き白。純白の白。此方も蕾を膨らませ、咲き誇るのを待っておいででした。

「久しぶり」

ぼんやりと見惚れていると、後ろからお声が。漆黒の衣に身を包んだ主が、切れ長な目を殊更細めておいでです。何時もよりも上機嫌に、口笛を吹きながら、一句読み上げそうな程。そうで御座いましょう。貴方様が何よりも好む季節なのでしょうから。

此処の主、梅香の君は大量の書類を小脇に抱えた後、様子を伺う様にそっと手を伸ばします。

「良い季節だ。とても。昔から立春が大好きでね」

「ええ。存じ上げております」

蕾を確認した後、此方に向き直り顔を綻ばせました。丁度、この梅の花々が開くように。

「梅の花、咲き始める時だから。どうか嵐に見舞われて、散って仕舞わない様に。今この瞬間を目に焼き付けて置きたいんだ」

そう仰ると、またも愛おしむように蕾に目を向けました。私も同様に。この慎ましやかな春の訪れを私も少しばかり噛み締めておきましょう。花が咲く頃に、またお邪魔致します。

梅香の君(お久しぶりです〜!!)

基本的に滅茶苦茶おっとり。ぽやぽやしてる。

怒らせると滅茶苦茶怖い。

千の言葉で相手に伝えるタイプ。(有言実行)

人当たりは良いけども、本気で心を許す相手は少ない気が。狭く深いタイプ。

一度心を許したら、揺籃から墓場まで。

もう聖母で良いんじゃないかな……。

神様なんだけど……と苦笑いで言われそうですが。


九曜様とは色んな意味で真逆なタイプ。

九曜様は

厳格で、言葉なしに行動で示すタイプ。(無言実行)

その分伝わらない事も多い、不器用なところがある。

一件厳しいけど、少しでも信仰されたら、厳しくも優しい。広くて深いタイプ。

根がお人好し。


何方も全然違いますけど、掛ける情は深くてしっとりと重い。

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