二章 7話 あの日夢見た世界(1)
短めですが、今回も駄文をお楽しみください。
どんどんボロが出てくる・・・・・・
文才が欲しい。
森ーーーーーーー
(体がすごく軽いな)
俺は今、この広大な森から出ようと頑張っている。
その途中で、身体能力がとても上がっていることに気づいた。
それこそ、俺の最も努力していた頃よりも上だ。
(後は・・・魔力はどうなったか確かめるか)
あの後から魔法はまだ1度も使っていない。
黒い石にも極力触れないようにしている。
だが、逃げてるだけじゃ何も解決しない。
そう思い、ライターくらいの火力しかなかった火の魔法を唱えてみた。
《炎よ、我が意に従え》
ドンッ
ドカーン
何だこれは・・・・・・・
えーっと、とってもおっきな火球ができて、発射された。
火球は木を押し倒しながら進み、遠くの方で爆発した。
爆心地はクレーターができてた。
ビックリしちゃったな♪
「すごい威力になってる・・・・・・」
それにしても強すぎるな、制御できるようにしないと。
ふと思った。
(あのとき俺はあきらかに火じゃないもの使ってたよな)
ちなみに俺は火しか使えなかった。
ということで試してみた。
水、成功。大量の水をもろかぶった。冷たい・・・・・
雷、成功。木が丸焦げになった。心臓に悪い・・・・・
地、成功。小規模の地震が起きた。怖い・・・・・
風、成功。7本くらいの木がまっぷたつ。危ない・・・・・
氷、成功。周囲のものが氷付け。寒い・・・・・
鉄、成功。剣ができた。木を切ってみた。切れ味良過ぎ・・・・・
基本属性全部使えるじゃん。
でも、どれも俺があのとき使ったのとは違う。
となると、残るのは上位か最上位。
精霊魔法とも召還魔法とも特殊魔法とも種類が違う。
やってみるか。
《光よ、我が意に従え》
・・・・・・・・・何も起きない。
まぁさすがに光だとは思ってなかったけど。
色からして違うし。
なんか闇っぽいな。
《闇よ、我が意に従え》
シュンッ
・・・・・何だ今の。
黒いレーザーが空へと消えていった。
なんか使えるらしい。
すげえな俺。
よし、この調子で最上位も試してみるか。
まずは無。
《無よ、我が意に従え》
「んなバカな」
周囲の木々が一瞬にして消し飛んだ。
そこにあったという証拠が無い。
きれいさっぱり消えてる。
さすが最上級は違うな。
(空間はどうだろう)
そう思い、やってみた。
《空間よ、我が意に従え》
何も起きない。やっぱ無理か。
というかできたら逆にすごい。
どうやら俺があのとき使ったのは無と闇みたいだ。
特殊魔法もやるか。
確か詠唱は要らなくて、明確な意志が必要だったはず。
(身体強化!)
「うおっ」
体がとんでもなく軽い。
飛んでみたい衝動に駆られる。
「ほっ」
ビュンッ
「凄すぎだろ、身体強化」
地面がみるみる離れていく。
軽く10メートルは飛んでるな。
落ちてきたときの衝撃も無かった。
召還魔法は呪文を知らないから、これで今できる奴を全部試してみたが、
俺ってすごくね?
だって光と空間以外全部使えるし。
「これからもいろいろ試してみるか」
俺は魔法を使うのをいったんやめ、黒い石を調べることにした。
どうなってんのかな、これ。
あのときは強く握ったら鎌が出てきたけど。
とりあえず握ってみた。
黒い、刀が、出てきた。
「違うのが出てきちゃった」
その刀は長さが2メートルくらいと長めで、完全に真っ黒。
凄い切れそうだ。
なんか切ろうかと思ったら、周りに何も無かった。
そういえば消しちゃってた。
遠くの方からなんかくる。
それはオオカミもどきの群れだった。
一匹大きな奴がいる。おそらく群れのリーダーだろう。
なんでか知らないが、凄い殺気立ってる。
俺なんかしたっけ。
考える前にまずはこいつらをなんとかしよう。
とりあえずは(身体強化!)
その瞬間体が軽くなる。
ちょうどいいし刀を使ってみるか。
久しぶりにアレも使いたいし。
「さて、行きますかっ!」
俺はオオカミたちに突っ込んでく。
いきなり突っ込んで込まれて混乱してるうちに、一匹を切り裂いた。
(凄いな、この刀)
そう思いながら飛び掛かってきたオオカミを切り捨てる。
「使うか」
俺は周りを囲んで隙をうかがってるオオカミどもを見て言った。
「瞬旋」
ザシュッザシュッザシュッ
血が景気よく出る。
俺はオオカミの包囲していたところから離れたところに立っている。
オオカミは5匹くらいが血を流して死んでいる。
(久しぶりだったけどうまくいったな)
瞬旋。
それは昔俺が祖父に習っていた古武術の剣術の技の一つだ。
思いっきり相手の方へ踏み込み、すり抜けながら斬りつける。
身体強化のせいもあってか、オオカミたちは全く見えてないようだった。
「一気に片を付けるか」
気分がハイになってくる。
俺は再びオオカミたちに突っ込み、斬りまくる。
残りはあの大きい奴だけ。
「いくぞっ、閃断!」
俺は凄まじい速度で距離を詰め、
頭から尻へと両断した。
「ふう、終わったか」
辺りは死体だらけ。自分の服も返り血で汚れている。
(やっぱり何も感じないか)
生き物を殺したのに何も感じない。
あのとき、人を殺しても何も感じなかったが、
それは俺がおかしくなってたからだと思っていた。
だが、どうやら違うようだ。
(俺は壊れたのか・・・・・・・・)
ネガティブになりそうだったのでそのことについて考えるのはやめ、
刀のことを考えた。
まだ血が滴っている長い刀身。
少しおかしいことに気づいた。
表面に付着した血がどんどん無くなっていく。
(血を、吸っている)
確かに血を吸っている。
「とんでもないものを手に入れたな、俺は」
それにしてもこの刀、俺の手に馴染みすぎる。
まるで何年も使ってたかのように。
「まあ、使えればいいんだけどな」
思考するのをやめ、当初の目的である、
森から出ることを思い出し、歩き出した。
ーーーーーーー森の外に何があるのか、期待しながらーーーーーーー
魔法についての補足
基本的に魔法は《◯◯よ、我が意に従え》という詠唱で発動する。
だが、明確に意志を示さなければ思いどうりにはできない。
なので、この木を燃やしたい、などと思ったときには、
《炎よ、我が意に従い対象を燃やせ》
などと最後にしたいことをつければ、
どの木にするか決めるだけで明確な意志が無くても木だけを燃やすことができる。
また、上級の魔法はそれぞれ固有の詠唱がある。
今回はこれだけだが、魔法についてはまた補足する。以上。
正直このまま続けられるか心配している作者です。
その場の思いつきと勢いでやったツケが・・・・・
投稿のペースがそのうち落ちるかも。
次回はやっと森の外の世界へ!
感想評価アドバイスなどお待ちしてます。