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キスorヒロイン

ジャック魔族学園編序章です。

 その日、ジャックが住むホラー城を目掛けて1人の女の子が着弾した。


 ドンッ!と鈍く土を踏み跳躍する音からヒューッ!と空を切り裂く音を経て、バキッ!と屋根を破壊した音が魔界にしては晴れやかな朝に虚しく響く。


 そこから数分後、ギャーッ!っと甲高い悲鳴がまたまた鈍く空虚な空に響き渡る……。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 その日は、すごく幸せで恥ずかしいくらいエロい夢を見てた。


 ピンクのモヤがかった空間で裸の俺を女の子達(もちろん全裸)が囲んでる。


 恥ずかしいけど、全員見知った顔が揃っていて全員が俺にキスをねだってくるのだ。


凛、「……キス、、、して」


 視線の合わない恥じらい。

 だが、メガネ越しでもツンデレと分かるとろんと欲しがりな目をしながらピンクの薄い艶のある唇をこちらに向けている。


蘭、「ねぇ!キスは?」


 強気な表情の中に照れて隠した寂しさが見え見えの命令口調のおねだり。

 凛よりも艶やかで主張的なぷっくりとした我慢できない唇をこちらに向けている。


ロキ、「君が1番よく知ってるよね?」


 淡い唇に人差し指を当て、クスクスとこちらをからかうかのような上からの態度。

 しかし、その性格の大きさと体躯は反比例している。それでも、なぜか蠱惑的な魅力に理性が抗える気がしない。


ゴーストメイド、「ジャック様が私なんかを受け入れてくれるなら」


 凛とはまた違った雰囲気の恥じらいや全身を捧げる献身の心と柔らかな包容力。

 しかし、そこに勝る私を選んで欲しいと表情で語る独占欲をみせる。


 欲しい。無茶苦茶にしたい。自分のモノにしたい。

 葛藤を掻き立て本能に語りかける決して許されないアブノーマルな圧倒的な誘惑。


?、「大好き」


 夢だからだろうか?表情がよく見えない。


 でも、この子を俺は誰よりも知っている確かな感覚がある。


 すると、不意に他の子達と違い、抱かれる。

 接触する感触も香りも温かさも誰よりも鮮明でリアルだ。


 そこに、欲情から来る心のざわつきとは裏腹に生まれてくる安心感。


 一瞬、不安になる。


 悲しくなる、虚しくなる、自分が嫌になる。

 泣きたくなるような自分の冷え切った心を溶かし温め認め許してくれる包容力が心を包む。


 そこに甘えたくなる。心を委ね全てを任せてしまいたくなる。


 そんな優しい世界に落ちて行きたくなる。


 だが、彼女はそんな気持ちを無視して顔を上げさせる。


 両頬に小さく柔らかな温かい手が添えられる。


 抱かれる幸せを知ってしまった俺は、物足りないと感じたその瞬間、唇を奪われた。


 まただ、頭が真っ白にクリアになっていく感覚。


 自分が自分から離れていくような落ちていく感覚の途中で意識の手綱をしっかりと握りしめる。


 柔らかな唇、伝う微熱を帯びたお互いの体温。


 重なりあった時、もっと、もっと、と欲しがる。理性を忘れる。


 それに彼女は答えてくれる。


 繋がっている。自分を理解してくれている。


 そんな傲慢な考えをしてしまうほど、俺は彼女を求めている。


 そして、もっ、……と。……と思った瞬間彼女から離れていく。


 お預けをくらった俺は切なさと寂しさを同時に覚えるが、


 負けたかな。


 どこまでいっても俺は彼女のものだ。


 僅か10センチにも満たない近さでお互い向き合う。


 彼女が火照ってる、息が上がってる。吐息が荒く当たって肌に感じる。


 俺も恥じらい、気持ちよく、満足感や充足感が心のボルテージをぐんぐんあげていく。


 心拍数が頂点に到達しそうなそんな時。


 ニカっと最高の笑顔を俺の視界全てがジャックされたその瞬間。


「大好き」


 と繰り返される。


 頭がクリアになっていくのが分かる。


 いつも感じるこの感覚。

 モヤは晴れ、夢から引き離されていく感覚。


 俺はもがく、抵抗する。


「嫌だ、ダメだ!!」


 声にならない心の叫び。


 まだここにいたい、続きを知りたい、見たい。


 だが、そんなもがきは虚しく視界が鮮明になっていく。


 不思議な感覚だ。


 今が夢の中か現実なのか頭がまだ理解していない。


 ただ、一つ確信を持って言える事がある。


 俺の目の前にはモヤがかっていた夢の中の美少女が俺の顔を覗き込んでいる。


 何度か瞬きを繰り返し、ごろごろする目を擦る。


 いまだに頭はポケーっとしたままだ。


 しかし、慌てて部屋に入ってきたゴーストメイドがこの状況を見て絶叫した声で俺は完全に覚醒した。

読んでいただきありがとうございました!


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ブックマークもしていただけると本当に嬉しいです。

創作の励みになります!


何卒、よろしくお願い致します。


読んでいただきありがとうございました。


次回は11月30日の予定です。


どうぞご期待ください。

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