「ハロウィン転生」〜結城凛〜外伝「ヒロイン・オブ・プリンセス」
“私の物語に英雄[ヒーロー]はいらない”
悲劇はいつも突然やってくる。
平穏を壊す、轟音と悲鳴。
焼け狂う、庭園と城。
噛み締め耐える、嘲笑と虐殺。
私(結城凛)の物語はキラキラしたプリンセスストーリーでは決してなかった………
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転生した私はこの国の第三王女として生まれた。
上には2人の姉がいて、転生前の記憶を持っていた私を酷く気味悪がった。
それも当然と言えばそうなのかもしれない。
言葉が話せるようになった私は、名付けられた名前ではなく、“結城凛”という名前に加え、転生前の自分を饒舌に語ったのだ。
おかげさまで私は変な子呼ばわりをされていた。
しかし、大学生の脳みそがある。
教養ではお姉様2人に決して負けなかった。
それでも王族は年功序列が基本だ。年の数で偉さが決まる。
良いものは全部2人の姉が取っていく。
衣服も食料も道具も地位も名誉だって。
残り物と共に生きていく人生だと10歳の頃には薄々感づいていた。
誰もが私の前を先陣きって歩いていく。
私が先頭に立つ事などないのだ。
それを知って尚、負けじと頑張ってきたつもりだ。
しかし、そんな負けん気の強い妹が姉達から良い思いをされるわけもなく。
分かりやすくいじめられ、嫌がらせは毎日のように続いた。
そんな中で私の心を満たしてくれていたのは、私を受け入れてくれる両親からの愛情と合間時間に書庫で読む英雄譚だった。
昔から読書は好きだった。夢中になれるし、嫌なことがあっても忘れさせてくれ、時には人生の道筋も教えてもらった。
そして年甲斐もなく願ったりもした。
いつか、意地悪な姉達から救い出してくれる英雄が私の前に現れてくれるのだと。
しかし、現実はそうも行かず……
姉達から嫌がらせを受けた日は常に両親に慰めてもらい心を安定させていた。
脳内年齢を無視すれば、実年齢は10歳程度なのだから問題ないと。
姉達からの嫌がらせは心にくるものがあったが、甘え慰められ本に没頭し、負けじと勉学に励むそんな毎日。
今思えばそれがどれだけ幸福であったのかと、私は崩れゆく城を眺めて初めて知るのだ……
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次回はゴールデンウィーク最終日の5月6日に何本かあげる予定です。
ここから少し外伝が続きます。




