鴉人
烏ってなんであんなに黒いんだろうってよく思っていた幼稚園児でした
烏が落ちる
灰が吹きこもる
ビルは崩れ
草木は枯れ
烏は落ちる
人もいぬ地で空を駆る烏
人も見ぬ地で骨を啄む烏
人も生きぬ地で命輝く烏
烏が堕ちる
紫煙燻る空の中
亡霊彷徨く檻の中
無数の手に遊ばれ夢の中
烏の雄叫びを聴こう
烏が空から墜ちる
翼を抉られ
目を焼かれ
嘴を折られ
白へ行く
雨降らぬ地で
風吹く地で
日を見ぬ地で
命輝かす烏
白へ行く
烏は行く
白へ行く
大地へ行く
白に墜ちて行く
黒い烏が白となる
烏哭く
見られず聞かれず気取られず知られぬ烏哭く
羽根が浮かぶ
烏喰う
それを喰う
白を喰う
烏 白となる
烏が落ちる
啼きながら落ちる
間抜けな声を出しながら
空気を抉りながら
目を爛々とさせながら
それを喰らいに逝く
白となる為 黒へ至るため
堕ちてゆく
命を燃やし輝かせながら墜ちてゆく
それを人は見れるのか
墜ちる烏を見て嗤うのか
人である烏を嗤う人
灰となる
烏は墜ちる
灰から逃げる為
人を笑う為
烏堕ちる
今日もここに烏の哭き声がある
つづかない( ̄ー ̄)