地下室へ
これあと何話でこの章終わるんだろうか……。
「ダンゾー、どうだ見つかったか。」
ここまで来たら手分けして探せるだろう。地下室の扉を隠せそうな場所を徹底して捜索する。
だがどの部屋にも見つからない。もしかして床下に入り口があるのかもしれない。
強めに床を踏み叩く。場所を変えながら叩いていと音が少し変わった場所が出てくる。
「いっそ床ぶち抜くか。」
もう窓ガラス壊してるし同じようなもんだろと、そう思ったけども出口見つからなくなる危険性を考慮して出入口をちゃんと探そう。
石突で突きながら入り口を探る、ダンゾーも同じようにドンドンと叩いて空間を探している。
「あ」
メキッと音を立てて床の一部分が崩れ落ちる。相当腐っていたようで耐えることが出来なかったようだ。
しかも地下通路の上だったようで、入った方が簡単に入り口も見つけられる。
「ダンゾー、入り口が開かなかったら糸で上げてくれ。」
そういって通路に落ちていく。結構深く、3メートルほどあったようだ。足がジーンとする。
石造りの道を登る。帰り道の確保をしないとな。
「ってここかよ。」
出た先は中庭、小屋の横にあった物置に繋がっていた。だったらこっちに蜘蛛配置しておけよ。
「ダンゾー、もう降りてきていいぞ。」
すると軽々と上からひょいと降りてくる。俺と違って足にダメージいかないんだな。
どうやら結構長いようで、俺らが居りてきた場所はまだまだ前半部分だったようだ。
「深いな、それ程までに隠したい何かがあるのか。」
もしかしたら強力な蜘蛛が最後の番人のように立ちふさがるかもしれない、装備品を見直しておこう。
今までの蜘蛛がドロップしていった装備品を羽織る、黒一色でなんかシノビみたいだな。体も軽く感じるし。
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名前:クヌギ Lv.25 職業:戦士
生命力(体力) 14 +2
精神力(魔力) 5
持久力 30
筋肉(筋力) 34
技量(器用) 22 +20
耐久力(防御) 10 +100
敏捷(速度) 8 +50
運命(幸運) 7
ステータスポイント:0
スキルポイント:0
スキル一覧
狩バチの極意 槍術の心得 速突 風車(円弧) 偃月 一閃 鋼の意志 演舞
装備
武器:斑大蜘蛛の槍 属性:毒(麻痺、睡眠)
頭:斑大蜘蛛のバンダナ(耐久力+10 生命力+10 精神力+10 敏捷+10)
胴:斑大蜘蛛の装束(耐久力+35 敏捷+10)
腕:斑大蜘蛛の籠手 (耐久+25 技量+20 敏捷+10)
足:斑大蜘蛛の具足(耐久力+30、敏捷+20)
セット効果:隠密 致命強化
装飾品:カグヤの糸人形 (効果なし)
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手に入れた槍もレベルアップ分と心得があってようやく装備できる品であった、ただその分強力だろう。
「この先が言われていた地下室のはず。」
強引に鍵を壊した跡がある、それ以外にも鎖だったり閂だったりとここに何か閉じ込めておかないといけないとでも言うかのような量。正直怖い。
「ここじゃなかったら絶対顔面ぶん殴ってやる。」
閂を外してドアに触れる。鉄でできているようで重く、錆びて建付けも悪い。力強く押し込んでようやく嫌な音を立てて開くほどであった。
「…入るぞダンゾー。」
一歩踏み入れる、広くあちらこちらに蜘蛛糸が張られ、一面真っ白の空間になっている。
完全に踏み入れたと同時だった。扉が勢いよく閉まったのは。
「ふふ、よくここまで来れましたね。」
部屋の中に女性の声が木霊する。夫人の声だ、しかも今まで見たいに脳に直接語りかけている感じではない。
「カグヤを、うちの子を返してもらおうか。」
槍を構える、確実に戦闘が起きるだろうしな。
「ええ、お返ししましょう。」
なんだ、あっさりと返す宣言をしたな。いや、運営の意地の悪さを思い出せ、さっきまでムカつくことのオンパレードだったじゃないか。
「でもその前に、私と踊ってもらいましょうか。」
「生憎ダンスはからっきしでね、お断りさせてもらおうか。」
舞踏会の招待状だもんね、でも断る。うちの子をいい加減返せ、そっちが先だ。
「あらいけずな人、でもそれじゃ私が退屈だもの。」
その声と同時に奥の糸裏からヌッと大きな影が出てくる。およそ全長3メートル、奥行きはよく分からない。
その姿は蜘蛛の下半身をもち、頭胸部から人の体を生やした魔物。アラクネと人に呼ばれるものだ。
人体部分の服装はゴスロリと言えばいいのか、紫がかった黒を基調としたフリルの服を身に纏い、頭にはつばの広い帽子を被っている。蜘蛛とどういう繋がりがあるんだその服装に。
蜘蛛の形からしてモチーフはジョロウグモだろうか、だから妖怪の絡新婦のように女性の姿をしているのだろうか。てか何気にT-アルビノっぽい体色してるじゃん。
「お前が夫人か、案外可愛い見た目してるじゃん。」
穂先を向けながらそう言う、マニアからしたら垂涎ものなんじゃないかそのフォルムに特性。俺は身近にカグヤがいるから別にどうでもいいけど。
「お世辞なんて要らないのよ。」
不機嫌になる、どうやら地雷を踏みぬいたらしい。多分見た目に何かコンプレックスがあるんだな。もしくはオスだったり、いや夫人って言ってるから違うか。
「さあ楽しい楽しい舞踏会の時間よ。」
夫人の音頭によって、今地下室にて蜘蛛と人間の一騎打ちが始まるのであった。
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