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メディウス目指して徒歩の旅

恐らく深夜に投稿できないので事前投稿だ!

……え?予約投稿?

この前失敗したので……

 乗合馬車が横を行く、俺はその街道を徒歩で行く。むなしいかな、金さえあればここをショートカットできたのだが、いかんせんもう別れの挨拶をしたというのにまだクエストを受けていたら格好がつかないというもの。

 見栄張ったせいでカグヤを連れての二人旅となったのだ。

 街道に盗賊とかいるんじゃないか、普通のゲームならお約束だが、見回りの数が多いし、何よりも冒険者がいる。下手に手を出すと死ぬ可能性があるのだ。

 そのせいもあってこの世界で盗賊をやるには相当の覚悟が必要になり、結果撲滅したのだ。まだごく少数いるのかもしれないけども。

 暇をつぶせるのは時折顔を出してくるホーンラビットぐらいだ。ゴブリンは全く近寄らない、らしい。

 突っ込んできたホーンラビットを処理する。最初の雑魚敵の一種であって、やはり脆い。一刀の露となって消えていく。正直言ってつまらない。

 まあここを歩いていくのは景色を楽しむ勢だけだろうから仕方がない。

 実際のどかでいい景色なのだ。辺りに木があまり生えていないのは防犯上仕方がないが、そのまばらな緑がまた彩を与えている。

 「しっかし、メディウスまであといったい何分掛かるんだろうか。」

 一言ぽつりと声に出す、カグヤは別に相槌を打ったりしない。ただただニコニコとしてついてくる、もしかしたらまだ発声器官がしっかりしていないのかもな。

 また横を馬車が通る、中にはプレイヤーが数名乗っていた。うげぇみんなコッチ見てらぁ。

 やっぱ下手に格好つけないでクエスト受けてから村を出ればよかったな。

 後悔先に立たずとはこのことか、悔やんでいても仕方がないただ前に進むことを考えよう。

 途中の町だったり村だったりでクエスト受けて金稼いでもいいな、そうすれば馬車も乗れるだろうし。

 だったらまずは近いとこ探さないとな、マップ開いても行ったことの無い場所はマッピングされないから不便だ、さっきよりも回りよく見とかないとな。

 「はぁ、眠気を誘う温かさだぜまったく。」

 しかしこののどかさはどうにかならないものか、いや殺伐としているのもどうかと思うが、これでは冒険とか探検とかじゃなくてピクニックだ。

 いいかもなピクニック、今度カグヤを連れて湖畔に行ってみるのもいいな。教育的にもいい刺激になるだろうし、楽しんでくれるだろう。

 そんなカグヤはただ隣でじっとこちらを見つめながら微笑んでいるだけだ。風景には興味ないのだろうか、それとも


 どれ程歩いただろうか、散歩シュミレイター時々兎狩りのゲームになりかけ、レベルもあれから2程度上がった辺りで村が見え始めた。

 入ったら首都までどれ程か聞こうか、カグヤを連れて村に入る。カグヤにはすまないが顔を隠してもらっている。事情を知らないNPCやプレイヤーに絡まれることを危惧してのことだ。


 

 「おや、こんな村になにかようかい。」

 村の入り口で一息ついていたおじいさんがこっちを見てそう言ってくる。

 「実は路銀を調達したいと思っていまして、この村には出張所は来てらっしゃいますか。」

 「……いやすまないな、うちは見回りの対象内でな、冒険者の必要はないと断っておるんじゃ。」

 なるほど、確かに騎士団が巡回しているのなら、俺らのようにあまり身元がわからない奴らを引き入れようとは思わないな。

 「そうですか、あの、首都まであとどれ程かかるか教えていただいてもいいでしょうか。」

 最低限しておかねばならない質問をする。

 「馬ならあと1時間もすれば着くさ。歩きならまぁ結構かかるな。」

 まだ結構な距離があるようだ。あ、そういえば

 「あの、ここで物を買い取ってくれるような方っていらっしゃいますか。」

 インベントリにあったアイテムを思い出す。綺麗な生糸、価格は5000ゲルで売れば運賃だけでなく装備更新の資金に出来る。

 「生憎だがそういったことが出来る裕福な商人も金持ちもおらん。」

 現実は甘くない。まあそうだろうな、基本自分の生活で精一杯だ。買取が出来る余裕があるのなら、言っては悪いがこういった村ではなく町や都に住んでいるだろうし。

 「そうですか、いきなりすみませんでした。」

 そういって離れようとする、正直長居する意味は無いしな。そう思って踵を返そうとするとおじいさんが何か思い出したかのように声を掛けてくる。

 「ちょっと待ってくれ旅の方。ここから少し離れた所にボルモット卿の別荘がある。もしあなたが売りたいと言っているものが高価なものだったらもしかしたら買い取ってくれるかもしれんぞ。」

 おっと、何か有益な情報が転がり込んできたな。しかし綺麗な生糸は貴重なものに入るだろうか。ちょっと自信無いな。

 「ありがとうございます、覚えておきますね。」

 まあこれでもう聞きたいことは終わったな、今度こそと歩みを止めずに進む。

 もう声は返ってこなかった。


虫決まりましたので絶賛書いております、章分けはちょっと待ってね。

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