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不確定要素

祝!1万PV突破!

目標を達成しました!でも、まだまだゴールじゃありません。

物語を終わらせるまで突っ走り続けますので、どうかこれからもよろしくお願いします!


そして毎度のことですが、ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。励みになりますのでどうかよろしくお願いいたします。

 「私は団長にあなたの調査書を届けに行ってくる。また明日会いましょう。」

 そういってコナラさんは村を後にする。

 ヤバい、することが無い。背中の繭の羽化時期はもう特定できたし、キャタピラーの調査はもうする必要が無いし、だからと言って冒険に出ることもできない。村中央部に行くのも無理だ。こいつの存在を回りにばらすようなことになる。

 手持無沙汰になる。採取ポイントまでは出かけられるだろうか、あそこには魔物は湧かないという親切設計が敷かれているらしいし。

 そういえば、何故コノハナ姫の伝承は満月の時に目覚めるだけなのだろうか。

 蛾の羽化の時間に最も適しているのは深夜から朝方にかけてと言われており、満月といった条件はあるものの、別に普通の事を言っているだけだ。

 何か裏があるのかもしれないな。そう思いながら柵を乗り越える。大分板についてきたな。

 

 採取ポイントに着く。誰もいないここにはこの子と来た時と同じ風が吹いていた。

 草を黙々と毟りながら考え事をする。お婆さんの事、背中の繭の事についてだ。

 お婆さんが何故口噤んだか、それは背中の子が短命だと伝えるかどうか迷ったのだろう。

 あれでなかなか、人のことには結構気を使っているのだろう。だが心配は無用だ。

 虫とは結構短命な種族だ。一部越冬をするものを除けば基本一年で死に絶える。バッタにカマキリ、カブトムシなんかがその代表だ。

 確かにこの子にはペットに向ける愛着のような感情を持って接していた。確かにそういった事実が向こうから襲い掛かってきたら悲しさは心の堤防を決壊させるだろう。

 でもそれが自然なのだ。それが生態だというのなら受け入れるのが飼い主だ。

 そしてもう一つの思考。何故サクヤ姫には多くの伝承が残っているのにコノハナ姫に関しては羽化時間帯以外の情報が一切ないのかだ。

 最も愚直に考えるのならば、存在は認知されていたが残されてこなかったということ。

 だが名前と羽化だけ伝承するということはあるのだろうか、だったらもう少し何かしらの情報が残っているはずなのだ。

 次にコノハナ姫はたったの一度しか姿を見せなかったというもの。

 考えられなくもないが、それならサクヤ姫と勘違いするものでは無かろうか。

 逆に考えてみよう。何故名前と時間帯を教え伝える必要があったんだ。

 まず名前の必要性。名前とは人間が事象全般に対して行う認識化である。そして名づけは主に区別の手段として取り扱われる。

 例えばシロアリとゴキブリ、これらは同族であるが決してシロアリの事をゴキブリとは呼称しない。逆にゴキブリのことをシロアリとは言わないだろう。そういうものだ。

 つまりこう考えるとサクヤ姫とコノハナ姫は必ず分けて認識しないといけない存在だという事だ。

恐らくだが二人(?)は全く別の性質を持って生まれてくるのだろう。だから混同させては行けないのだ。

 そして羽化時間帯の記録、これも区別の為だろう。

 深く思考していると、脂汗を掻きそうになる答えにたどり着きそうになる。

 嫌な予感がする。果たして本当にこの子を羽化させるべきなのか。

 風がはたりと止む。辺りは息苦しい沈黙に閉ざされていったのだった。


実はコノハナ姫には3パターンあったりする。

キャタピラー編が終わった辺りに一回設定回でも設けましょうかね。

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