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教導

祝!7000PV突破!

目標の1万PVまであと少しです!


そしてここまでご愛読、ブックマーク、評価してくださった皆さん本当にありがとうございます!

これからも更新していきますので、どうか長い目で見てやってください!

 「そこ、さっきと同じこと書いてる。」

 少女から指導を受ける。なんだろう、悪い気分ではない。別にマゾとかそういった気持ちがあるわけでは無い。どちらかといえば教師にしっかりとした知識を授けられている。そんな感じの気持ちだ。

「そこ、回りくどい。もう少し簡潔に。」

 この年に家庭教師のようなものが出来るとは、思ってもみなかったな。少し楽しい。

 分かるというのは楽しいことなのだ。自分の不出来さを知ることにもなるが、同時に成長できるチャンスがまだあるということだ。

「そう、その感じで書き進めて。」

 訂正が無い。少なくともさっきよりも進歩があるということだ。

 罪悪感がないわけではない。他の加入メンバーは皆自力で書き上げ、入団テストをクリアしている。そんななか他人の力を借りて書き上げようとしている自分というのは恥ずかしく、そしてみっともないのだろう。

 これで入団テストを落ちたら目も当てられない。そうならないよう注意して記入していく。コナラさんはもう何も言わなくなった。このまま進めということなのだろうか。

 今ある情報をまとめ切ったものが出来上がる。まだ繭のことも成虫の事も書いていないが、キャタピラー自身の生態に関しては書くことが出来た。

 因みにキャタピラーの天敵はフウランさんが調べてくれていた。方法は仮死状態のキャタピラーを放置し、食べにくる魔物がいるかを調べると言ったものだ。

 結果は“いない”だった。平原の掃除屋スライムも、何でも巣に持ち帰るゴブリンも、何ならもっと先の領域にいる荒野の腐肉喰らいのヘルコンドルすらキャタピラーに手をつけなかった。

 しかし腹の中から体液を抜いたら話は別だった。スライムもゴブリンもヘルコンドルも最初は近づいてどうするか確認し、捕食あるいは持ち帰るなどの行動を起こすことが判明した。

 やはりあの激臭の体液は身を守る最高の武器のようだ。

「さて、あとは成虫の存在だけども。」

 背中にまた視線を受ける。どうやらこの繭が正式の進化を踏んだものと思われているようだ。

「少し聞かせて欲しい。何故繭のことを話せないの。」

 やはり聞かれる。ここまでは言ってもいいラインを見極めながら出だしの部分だけ語る。

「実は背中の繭は正式な成長方法じゃないんだ。」

「どういうこと。」

 そりゃ聞かれるか。もう興味津々の眼だ、話さないと済ませないと言わんばかりの視線、目は口程に物を言うというのはこのことなのだろうか。

「詳しくはとある人の所に行かないと話せないんだ。」

「案内してもらっても」

 レスポンスが速い、確実に行かないとの段階でもう反応している。

 案内、か。この人は正直信用できると俺は思う。ただあのお婆さんがどう反応するかだ。

 まあなるようになれだ。それにもうそろ背中の繭を見せにいく時間だ、ついでに連れて行ってもいいだろう。

「分かりました、でもその人の判断次第では話せないかもしれません。」

「別に構わない。」

「フウランさんはどうしますか。」

 さっきまで荒野に行ってもらっていたフウランさんに尋ねる。

「私はこれから私用があるからごめんねっ。」

 どうやらここで離脱のようだ。それは仕方ない、2人で行くしかないな。

「では向かいましょうか」

 そういって目の前の畑へ向かう。そう、畑の横の草原から一歩も動いていないのだ。

「ここです」

 この間僅か10秒。コナラさんもポカンとしている。そうだよな普通ならもうちょっと移動すると思うもんな。

「お婆さん、いまいらっしゃいますか。」

 木の戸を叩く。中からいつものしゃがれた声が返ってくる。

「おるわい。鍵は掛かってないから入ってきい。」

 コナラさんはお眼鏡にかなうだろうか、心配しながらコナラさんを連れて入る。


「なんだい、人を連れてきたんかい。だったら先に言いなまったく。」

 正論、ドが付くレベルの正論である。普通他人を招き入れるのに伺いを入れないのは頭が可笑しいと言わざるを得ない。だから苦言は甘んじて受け入れよう。

「背中の繭を見せに来ました。それと…」

「どうしたんだい」

「この人、コナラさんにこの繭の話をしたいのです。」

 瞬間お婆さんの動きが止まる。否、眼だけはしっかりと動いている。その目線はコナラさん一心に注がれている。様子で判断しているんだろうか。

「あんた、どこかの国の回しもんかい。」

 おや、今までにない反応だ。国が何故今出てくるのだろうか。

「私たちは国家に所属していない。私が今日聞きに来たのは学術的な興味があるだけ。」

 コナラさんはその目線を受け止め、そしてその目線と同等の眼力で見つめ返している。

 お婆さんはじっとその眼を見続けて

「嘘は言ってないね。分かった、話してもいいじゃろう。」

 許可が下りた。目で信用を勝ち取ったのか、なんだろうこの場違い感は。

「そして何故話していけないと言ってたのかも説明してやろう。」

 確かに何故話していけないのかは教えてられてなかった。何か事情があることは察していたがそれが何なのかは分からない、ずっとモヤモヤしていたがようやく真相にありつけるようだ。


皆さんは教えたい側ですか、それとも教わりたい側ですか。

私は色々と教えてもらいたいですね他意はないです。

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