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粗削りの琥珀

起きたらPVが5000を突破していました。

用事が終わって帰ってきたら6000を超えていました。

マジですか、夢じゃないですよね?

ご愛読、ブックマーク、評価本当にありがとうございます!これからも邁進してまいりますので今後もよろしくお願いいたします!

 (……確かに読みずらい。)

 私の感じた初めの感想だった。結論にもっていくのではなくどう書いていくかを試行錯誤して始めてしまっているから多くの粗が見つかる。

 (でも、熱意がなかったらこんなに調べられない。特にキャタピラーなんて。)

 圧倒的な悪臭でこのゲームの不快キャラトップ10に食い込む魔物、キャタピラー。

 虫好きの数少ないメンバーですらその調査を断った特異な虫。臭い機能を切っても感じる気持ち悪さは多く魔物のいるこのゲームで数少ないだろう。

 (それにこの内容が本当なら狩バチの極意も持ってるはず)

 虫系の神経部分だけを破壊して仮死状態にすることで手に入るスキル。手記の内容からしてもうすでに取得してるはず。これを自力で手に入れるには狩バチの行動を知ってないとできない。

 知らなくてもどこかで聞いたのかもしれないが、キャタピラーで試すようなことはしないはずだ。だってフィールドワークですら今まで誰も試したことが無かったのだから。

 (やっぱりこの人は必要。)

 フィールドワークには虫好きが圧倒的に少ない。それも私を含めて3人、そうたったの3人だけ。同志が少なすぎる、ここまで書けるのなら、あとは磨けばいい。

 (団長怒るかな。)

 肩入れはするな、そう言われているけどもちゃんと調査して、それでいて虫が好きだというプレイヤーは全然加入しに来ない。獲得するチャンスは今だけなのだ。

 ごめんね、心でそう呟いて手帳から目を離すのだった。

 ──────

 ────

 ──


「読み終わった。」

 コナラさんがそうつぶやいたことで静寂は破られた。

「…どうでしたか。」

 気分は死刑執行を言い渡される囚人の気分だ。ダメならダメとバッサリ言ってくれ。

「まだまだ粗い。でも駄目なんかじゃない。」

 お世辞だろうか。いや、多分本気だな。少しの時間だけどこの人の性格は何となくだが分かってきている。人のためにならない嘘はつかない、そんな人なんだろう。

「そうですか、もう少し頑張ってみますね。」

 そういって手帳を受け取ろうとする。だが彼女の手から離れない。

 困惑している俺にコナラさんは

「私が書き方を教えてあげる。」

 そう言って俺の手を取る。もっと頭が混乱する、どうして何で。訳が分からなくなり頭が回らない俺に彼女は畳みかける。

「今までキャタピラーを研究対象にした人はいなかった。あなただけ、これの意味が分かる?貴方が第一人者なの、あなたが一番研究が進んでいるの。お願い、私に力を貸させて。」

 その気迫におもわず頷いてしまう。

「ありがと、交渉成立ね。あとこれ私のフレンドコード。登録よろしくね。」

 嵐だ、一言で言ってこの人は嵐なんだ。いきなりの超展開、誰が付いてこれようか。

「じゃあ早速書こうか。」

 訂正、嵐なんて生易しい、これは宇宙だ。理解するものじゃない感じるものだ。

 フィーリングなら得意だぞ…気休めにならない思考をよそに執筆活動が始まったのだった。


 (説得成功、よくやった私。)

 コナラは心の中でほくそ笑む。普通の人はまくし立てられた場合思考を放棄する。絶対に逃がさないと思ったら何をしてでも手に入れろ、おじいちゃんがよく私に話してくれた格言、昔はあの考えが分かりませんでした、でもようやくわかりました。

 (こういうことだよね、おじいちゃん。)

 あなたのおかげで私は最高の友を得られそうです。


琥珀って樹液の塊なので磨くのも難しいらしいですね。

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