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類は友を呼ぶとは言うけども


 「さてクヌギさん」

 「はいなんでしょう?」

 自分の装備品の更新も終わって確認していると、店の奥から何か図面のようなモノを持ってパンさんが現れた。

 「ごめんなさいね、ウチには今この子に似合う服がなかったわぁ。」

 「そうですか、ではムッs」

 「だからコレをムッスリーの所に持ってお行き!」

 俺の言葉はインターセプトされ、所在なさげに空を彷徨っていた手には紙束が渡される。

 「これを見せたらもうバッチリ・よ♡」

 「は、はい…。」

 とりあえずここはさっさと去ろう、何かさっきから後ろが狙われている気がしてならないからな。


 


 「なんでぇ……?」

 思わずそう呟いてしまうのも無理ないことだと思うんだ。

 「いらっしゃぁい、ボウヤぁ♡あら、よく見たらイイオ・ト・コ!」

 この町には何でこんなにもオカマが多いんだろうか。何ならコイツに関してはNPCだろうに、もしかしてコイツから派生してアレが生まれたのか?

 「その顔、師匠のコトを連想したわね。妬けちゃうわぁ♡」

 「そんなことで妬かないでください」

 エスパーかな?もしかしなくてもエスパーなのかな。このゲームやっぱ脳内覗き込んでくる奴多すぎる、こんなんじゃおちおち考え事だってできやしない。

 「って師匠?」

 「ええ、パンさんは私の師匠と呼んでも差し支えないお方よ!」

 「ああ…そういう」

 この人は生粋のカマではなく、彼女(?)の影響を受けて変身した一人ということだ。つまりはプリ〇ュアってことだな、放送時間が深夜帯とかになりそうな濃さだけども。

 「あらいけない…コホン、お客様今日の御用は?」

 そう死んだ目をしながら空想の世界に浸っていると商人の顔を思い出したムッスリー氏が今日の用品を聞きに来ていた。

 「…子供用の服が欲しくてですね。女の子用なんですけども」

 「あらお子さんの?もーうそういうのは早く言ってよ・ねぇ!」

 こっちが言う前にその強烈なキャラで黙らせに来てるんだよ、顔面右ストレートものだよ。

 「サイズはどれ程のモノをご所望で?」

 「一応パンさんからコレを預かっているのですが…。」

 そういって渡された多分図面のようなモノを彼女(?)に見せる。これ図面で合ってるんだよな?もし領収書とか伝票だったらいいように使われただけなんだけども。

 「あらぁ……オネエ様張り切ってらっしゃる…」

 じっと紙面を見つめ続けるムッスリー氏。ここにあの紙魚がいたらどうなるんだろうか、データ食う前に押しつぶされそうだな。

 「分かりました、これから制作に取り掛かります」

 「ちょ、ちょっと待ってください今すぐに必要なんですよ!」

 いや図面渡されたあたりでちょっと不味いと思ったんだけどね、でもほら普通あるモノから見せられて、それ買ったらとかそういう流れじゃん?

 「大・丈・夫♡そっちもちゃんと見繕うからぁ。」

 お値段はこれくらいねと目の前にそろばんのようなモノが置かれる。

 ……思っていたより安い?

 「こっちはオネエ様が負担してくれるって。貴方相当気に入られたのね♡」

 「は、はは……。」

 怖い貸しが出来てしまったかもしれない。



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