キャラが濃いんじゃあ……
「装備ですか……それでしたら100メートルぐらい先に行った所にパンさんって人がやってる店がありますよ。」
「助かります。」
冒険者組合にてクエストをある程度見てから受付の人に話したのだが、ちゃんと教えてくれた。これがプレイヤーだったらワンチャンイタズラがあるので信じられない所だったりするのだが、NPCだし嘘つかないだろう。いや昔嘘つかれたことあったな。
「それと…子供に服を買ってあげたいんですけど…娘にあげるような服を扱っている所知りませんか?」
「子供用ですかぁ……ちょっと待っててくださいね。」
そう言って真面目そうな男性職員はバックヤードへと姿を消した。もしかしてあそこって受付員の休憩室なのだろうか、そこだと煩くないのだろうか。
さて、納品できるクエストもあったし何個か受注してっと……これで軍資金も少し増える、いいモノ買って帰れるかもな。
「聞いてきました。どうやらムッスリー商店という店が良いようですよ!」
「ありがとうございます。後このクエストの処理をお願いします。」
ありがとう本当、真面目な人で助かったよ。
「それでは」
「ええ、よい冒険ライフを。」
「……本当にここか?」
冒険者組合を後にして向かった先はパンの店、なんかこう聞くとパン屋にしか聞こえないな。
兎に角それはどうでもいい、それはどうでもいいんだが……。
「うーん……。」
それは店と言うにはあまりにも筋肉だった。何を言ってるか分からないかもしれないが、俺だって何言ってるか分からない。ただそう、筋肉なのだ。
「フッ……フッ……フッ…あら?」
見つかった。店の奥でずっとキントレしている集団の、それも一番筋骨隆々で色々と濃い存在に。
「あらやだぁ、お客さんじゃない!ほら皆、お出迎えお出迎え!」
くねくねと体を動かしている筋肉、ああそういうことね大体わかった。
「いらっしゃーい迷える子羊ちゃん♡」
今すぐ帰りたい、けどオカマは良い奴って相場が決まって…決まって……いやそういえば俺を襲ってきたエセ暗殺者もオカマロールしてる奴だったわ。
「んもーう、そんなに緊張しないで!取って食べたりしないからぁ!」
「ア、ハイ。」
近い近い近い、とういうかこの人絶対敏捷高い。今一瞬で詰められたのか、気が付かなかった。
「それで?今日はどんなご用で来たのかしらぁ?」
「ええと、装備を探しに…」
ちょっと話しにくいんだが!?あと手をいきなり握らないで!?
「いい体してるわねぇ…何かスポーツでもしてるのかしら」
「!?…いえ特には、筋トレとかランニング程度ですかね…。」
あらあら~とまた濃いキャラした人たちがくねくねと動きながら俺を囲んでいく。
「それじゃあ……」
なんだなんだ!?
「はーい一名様ご案なーい♡」
「「いらっしゃいませー旦那様♡」」
大量の筋肉が押し寄せて来る、やっぱ今すぐにでも帰りたい!